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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga6-A遭遇〜T.C.〜
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るだけだから」

シャワーできっちり汗を流した後、キッチンでは自分で作った料理をランチボックスに詰める作業をしてるキャロにそう声を掛けた。テーブルの上にはサンドイッチの他に「美味しそう」なおかずがたくさん。そんな無意識に口にした僕の言葉に、キャロは「1つ味見してみる?」って、短い竹串に刺さってる軽く焼かれたハムを巻いた卵焼きを差し出してくれた。

「あ、ありが――」

「あーん」

串を受け取ろうとしたら、キャロが僕の口に向かってハム巻を向けてきたからさぁ大変。ドギマギして口を開けない僕の様子に、「エリオ君?」って首を傾げるキャロ。変に意識するのも失礼かと思って、いざ口を開けて食べようとしたら、「あぅ。やっぱりダメ、恥ずかしいぃ〜」キャロは顔を真っ赤にした。

「えっと、ごめんね? はい、どうぞ」

「あ、うん、いただきます」

何度か深呼吸した後のキャロから串を受け取って、パクっと一口で食べる。少し冷めてるけど、それでも十分美味しい。だから「美味しいよ、キャロ」って素直な感想を伝えた。キャロはさっきほどじゃないけど顔を少し赤くして「よかった〜」って安堵。キャロは六課が解散して原隊である自然保護隊に戻ってから、ミラさんに料理を習い始めた。それも、今日みたいにフェイトさん達に喜んでもらいたいから。

「よしっ。完成! なんとか間に合った〜」

キャロがいくつものランチボックスをバスケットの中に収めて、最後にハンカチを被せたところでホッと一息。フェイトさん達と決めた待ち合わせの時刻は10時30分に次元港で、だ。今は9時40分。ここから車で30分くらいだから、時間的にはまだ余裕がある。

「車を出してもらえることになって、公共交通機関(バス)を利用しなくていいからってちょっと遅めにお弁当作り始めたんだけど、結構ギリギリだったね。・・・えっと、じゃあ着替えてくるね」

「あ、うん」

そう言って自分の部屋に向かうキャロを見送って、僕も自分の準備の最終チェックに入る。今着ている服は、以前フェイトさんとアリシアさんに選んでもらった、Tシャツにパーカとカーゴパンツ。髪型とかは別に普段通りで、後ろ髪をゴムで結うだけ。それに水筒とレジャーシートを収めたリュック。あとは、財布の中身も確認。14才とはいえ管理局に籍を置いてる公務員だ。無駄遣いは出来ないけど、普通の生活は送れるだけの給金は貰ってる。

(今日こそ、フェイトさんとアリシアさんからのお小遣いを貰わないようにしないと)

知らない間に口座にお小遣いが振り込まれてた時は、当時は嬉しかったけど今はちょっと・・・ってなる。フェイトさんとアリシアさんの子どもであるという誇りはあるし、恥ずかしくないように胸を張って生きていきたい。でも、やっぱり昔から変わらない子ども扱いはそ
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