第三十三話 少女達
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ルZが変身を維持してくれなければ本当に危なかったのだ。
そんな状態でモデルZを託すと言うことは、もし少しでも運命が違っていればジルウェは死んでいたことになる。
「アタシさ…この戦いが終わったら…ジルウェに気持ちを伝えたいと思うんだ。」
「エール…」
「子供扱いされて終わりになるかもしれないけど、だったら振り向いてもらえるように努力して攻めて攻めまくる!アタシ…何もしないで後悔したくないからさ…」
「……強いのね」
「そんなことないよ…プレリー…あの時言ってくれたプレリーの言葉を返すよ…“後悔だけはしないで”ね」
「…………ええ、エール……今更かもしれないけど、私達とジルウェさんがあなたとヴァンを監視していたことを黙っていてごめんなさい…でも…何もみんなであなた達を騙そうとしていたわけじゃないの。ジルウェさんは報告の時、いつもあなたのことを楽しそうに話していたわ。きっと…ジルウェさんもあなたのことを…」
「そう…かな…そうだといいな…大丈夫、アタシは誰も恨んだりなんかしてないよ。だってアタシはみんなのおかげで誰かを守るために戦うことが出来るんだから…きっとヴァンも同じ気持ちだと思う…きっと、ヴァンもプレリーのことを気にしてると思う…あいつ、アタシとプレリーとじゃかなり扱いが違うんだよ?プレリーのことあいつなりに女の子として扱ってる感じ…だからプレリーも頑張って…あいつは自分を信じてくれる人を裏切らないから」
「………」
それでもプレリーの表情は晴れない。
もしヴァンが“お兄ちゃん”のようにミッションから帰ってこなくなったらと思うと…。
それに気付いたエールが口を開いた。
「アタシはさ、プレリーのお兄さんのことは良く知らないけどさ…モデルZのオリジナルになったんだから凄く優しい人なのは分かるよ…そんな人がプレリーのお姉さんを悲しませたいなんて思うわけない…プレリーのお兄さんも帰るつもりだったんだよ。プレリーのお姉さんの所に……凄いよね…プレリーのお兄さん…自分が死ぬかもしれないのに自分が信じるもののために戦い続けたなんて…そしてプレリーのお姉さんもきっとその人を信じ続けていた…プレリーは二人の妹なんでしょ?だったらヴァンを信じてあげて…」
「…………」
「……さて、食べよ?甘い物を食べれば元気出るから」
「ええ…ありがとう…エール…私、勇気を出してみるわ」
微笑むプレリーの言葉にエールはタルトを頬張りながら微笑んだ。
「大丈夫!プレリーは可愛いからきっと上手く行くって!」
「ありがとう、エールも頑張って…気持ち…伝わるといいわね」
エリアOに着くまでの間、二人は親睦を深めた。
最後の戦いまで、後僅か…。
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