第三十三話 少女達
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エリアOに着けば大量のイレギュラーとの戦闘になり、そしてそれが終わればセルパンとの決戦だ。
無事に帰ってこれるか分からない危険なミッションである。
「ねえ、プレリー」
「あ…何?」
「最後の戦いの前にヴァンに何か言わなくていいの?プレリー…ヴァンのこと…好きなんでしょ?」
「………え?」
レプリロイドの高度な情報処理能力を持ってしてもエールの言葉を理解するのに時間がかかった。
「一応言っておくけどLIKEじゃなくてLOVEの方だからね」
それを聞いたプレリーの表情が真っ赤になる。
「あ、いや…その…」
「最初はプレリーのお兄さんの面影を見てたんだろうけど…今は違うでしょ?そうでなきゃ、初めての手料理とか振る舞おうとか思わないもんね」
今でこそ失敗して爆発する頻度は少なくなったが、最初は本当に酷かったものだ。
正直、自分の教え方が悪いのかとエールは自信喪失しかけたこともある。
それなのに諦めずに成功品を作り上げてご馳走し、そして時々手料理をご馳走してヴァンのことを度々気にかけている態度を見てエールは確信した。
プレリーはヴァンのことが好きになったのだと。
「その……」
「プレリー、余計なお節介かもしれないけどさ…伝えたいことがあったら言った方がいいよ。プレリーだって言ってたじゃない。“後悔だけはしないで”って…あいつさ、デリカシーがないけど良い奴よ。」
「………ヴァンのこと…だけど…」
「うん」
プレリーは細々と語り始めた。
「…最初はお兄ちゃんに姿がそっくりで複雑だったけど…彼と交流を重ねて、彼を知っていけばいくほど気になってた…優しくて鈍くて…凄く勇気のある人…」
「へえー…想像以上に夢中って感じ…言わないの?気持ち…」
「…………怖いの」
「怖い?フラれるかもしれないから?」
「それも…あるけど…もし、ヴァンがお兄ちゃんみたいに帰ってこなくなったら…」
「そっか…」
プレリーの“お兄ちゃん”は最後の…モデルVのオリジナルとの戦いで消息不明となった。
心から慕った存在が帰ってこなくなると言う辛さはエールには痛いほどに分かる。
下手をしたら自分だって母親と同じように…。
「アタシも、分かるよ。プレリーの気持ち…大事な人が帰ってこなくなるかもしれないって思うと…気持ちを伝えない方が良いかもしれないって思うかもしれない……下手をしたらジルウェも母さんと同じようになってたかもしれないからさ」
「え?」
「少し前にジルウェとね…あの時…ヴァンがアタシとジルウェの前に現れなかったら、モデルZをあの時に渡そうとしてたみたいなの」
「それって…」
あの時のジルウェはモデ
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