第三十三話 少女達
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てくれているサルディーヌの相手をしてやれないことにヴァンは申し訳ないと思っていた。
「良いよ、ヴァンが忙しいのは知ってるし…エールもお疲れ様」
「うん、ありがとうサルディーヌ」
ヴァンと一緒にいることが多いが、エールとも比較的会話するのでサルディーヌとエールの仲も悪くない。
「ヴァン、絶対セルパンをやっつけてね。この国を救えるのはヴァンとエールだけだから!」
「ああ、任せとけ」
「でも無理しちゃ駄目だからね!ヴァンに何かあったらプレリーお姉ちゃん悲しむんだから!!」
「…?そりゃあ、仲間だからな」
「………あんたそれ本気で言ってる?」
「違うのか?」
ジルウェと同じく色恋沙汰に疎いヴァン。
色気よりも食い気なヴァンに色恋沙汰はまだまだ難しいのだろうか?
「………まあ、プレリーもはっきりしないし…それにお兄さんのこともあるしねぇ…こればかりは時間かなぁ?」
「???」
一人で納得しているエールにヴァンはサルディーヌの相手をしながら疑問符を浮かべるしかなかった。
そしてしばらくの間、エリアOに向かう前にプレリーは地上部隊への指示を出していた。
「ふう…」
「プレリー様?」
プレリーの溜め息に気付いたオペレーターが振り返る。
「あ、ごめんなさい…つい…」
「良いんですよ。プレリー様…ここ最近あまり休んでいないじゃないですか…少し休まれては…」
プレリーはこのガーディアンベースの司令官なのだ。
レプリロイドなので多少の無理は平気と言ってもやはり限界が存在する。
もし倒れられたりしたらと思うとオペレーター達の不安も分かると言うものだ。
「平気よ、これから先…ヴァン達が私よりももっと危険な目に…」
「アタシ達のことを思うなら少しくらい休憩してよプレリー」
「え?」
振り返ると、ヴァンと共に退室したはずのエールの姿があった。
「それじゃあ、アタシはプレリーを休ませるからエリアOに着いたら教えてね」
「分かりました、プレリー様をお願いします」
「ちょ、ちょっとエール!?」
プレリーの自室に引っ張っていくエール。
逃げようにもロックマンの腕力に勝てるはずがなく、あっさりと自室に連行されてしまった。
「エール…」
「実はヴァンやジルウェには内緒で買ってたんだー。このフルーツタルト。今時珍しいフルーツてんこ盛り!」
「わー、美味しそう…そうじゃなくて…」
フルーツタルトを見て瞳を輝かせたプレリーだが、すぐに正気に返った。
「後少しで、最後の戦いだからさ…今のうちにプレリーと話しておきたいと思ったの」
「……………」
エールの言葉にプレリーは沈黙した。
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