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温もりと光
第二章

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 そんなある日休日出勤があって家に帰るとだった。
 リビングの暖奈の横に一匹の黒猫がいた、黒猫の目は奇麗な金色でそれが目立っていた。毛並みがよく随分と暖奈に懐いている感じだ。
 その黒猫が鳴いた、美奈はその猫を見て言った。
「ニャア」
「その猫どうしたの?」
「お昼ご飯食べてる時に」
 実は食欲もかなり減っている、牛乳や野菜ジュースは飲ませているので栄養失調にはなっていないがこのことも美奈は心配していた。
 その食事の時にとだ、暖奈は話した。
「その時にリビングの窓のところにいたの」
「そうだったの」
「そう、それでね」
 そのうえでというのだ。
「もっと見ようって窓を開けたら」
「中に入って来たの」
「そうしたら何か居座って」
 家の中にというのだ。
「今いるの」
「今からホームセンターでキャットフードとかおトイレとか買って来るわね」
「どういうこと?」
「これも何かの縁だから」 
 それにアニマルヒーリングも思い出した、美奈はこの猫が暖奈の助けになるのではと思ってそうして言った。
「だからね」
「この子飼うの」
「動物病院にも連れて行って」
 このことも忘れていなかった。
「それでね」
「この子と一緒に暮らしていくのね」
「そうしていきましょう」
「それじゃあ」 
 暖奈は姉の言葉に頷いた、姉は自分からだった。
 猫を飼う為に必要なものを全て飼ってそうして猫と姉妹での生活をはじめた、美奈も世話をしたが暖奈もだった。
 ひかり、暖奈が何かを見たのかそう名付けた猫のご飯を買いに行ったり病院に連れて行ったりした。病院でひかりが雄であることもわかりその首に赤いリボンを巻いてそれを首輪にした。そうして姉妹でひかりを可愛がっているうちに。
 暖奈は少しずつだが確実に明るさを取り戻していった、ひかりの世話をして一緒に遊んでいるうちに笑顔にもなっていき。
 やがて学校でも教室に戻れた、それでだった。
 家で姉にこう言った。
「何か元の生活にね」
「戻れてるわね」
「ええ」
 そうだというのだ。
「そのこと実感出来てるわ」
「それは何よりね」
「お父さんとお母さんが亡くなって」 
 それでというのだ。
「ずっと悲しかったけれど」
「それがよね」
「戻れてきたわ」
「よかったわね。ひかりが来てね」
 美奈は暖奈に微笑んで話した。
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