暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第33話:後始末のイリュージョン
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にってね」

 そう言って颯人は手錠を掛けられた魔法使い達に近付くと、右手の指輪を取り換え彼らに魔法を掛けた。

〈シール、プリーズ〉

 颯人が魔法を発動すると、ジェネシスの魔法使い達の足元に赤い魔法陣が出現し彼らを包み込んだ。
 彼らが魔法の光で包まれたのは僅か数秒の事。次の瞬間彼らは光から解放され、先程と何ら変わらない様子でそこに居た。

「ほいお終い、これで大丈夫」
「え? 颯人何したの?」

 今の一瞬で何が起きたのか理解できず、奏が首を傾げる。
 不思議そうにする彼女に、颯人は軽く肩を竦めると徐に魔法使いの1人に近付き、コネクト・ウィザードリングを嵌めた右手をその魔法使いのハンドオーサーに翳した。

 以前颯人から聞いたが、本来であれば他人のドライバーであっても魔法は発動させる事が出来る。魔法の中には指輪を付けた人物に作用するものもあるらしく、そう言った物を使用する場合は隙を見て相手に指輪を嵌めさせ無理矢理ハンドオーサーに翳させて魔法を掛けるのだとか。
 しかし、颯人が手を翳してもメイジのハンドオーサーはうんともすんとも言わなかった。

 その事に奏は勿論、弦十郎や了子も目を剥いた。

「え、何で?」
「封印した……こいつらの魔力をね。これを解かない限りこいつらはもう魔法を使えない」
「洗脳の方は解けないのか?」
「悪い、それは俺には無理。俺が出来るのは暴れたりしないようにするまでだよ」
「ふむ……いや、だが何にしても助かった」

 これで本部に移送しても被害が出ることは無い。体力を取り戻せば物理的に暴れる事はあるかもしれないが、その程度であれば対応は可能だ。

 これで大きな厄介事は大体片付いた。あとは二課の職員に任せておけば大丈夫だろう。

 「ん、んん……」

 と、その時、デュランダルの力で暴走し、爆発の影響か体力が尽きたのか気を失っていた響が目を覚ました。

 それに気付き、奏が弦十郎に抱えられたままの響に声を掛けた。

「お、起きたか響! 大丈夫か?」
「か、奏さん? え、っと……私、何で?」
「何があったかは覚えているか?」
「確か私……クリスちゃんより先にデュランダルを手に取って、それから…………ッ!?」

 途中まで思い出したところで漸く周囲の惨状が目に入ったのか、辺りを見渡して絶句する響。
 そして周囲の状況を見て、同時に気を失う直前の事を思い出したらしい。

 自分がこの状況を作り出したことに愕然とする響を見て、颯人と奏は互いに頷き合うと弦十郎に響を下ろさせ、彼には事後処理に集中するよう言って下がらせた。

 そして響に近付くと、奏が彼女の肩に手を回し颯人が帽子から花束を取り出した。

「お疲れ、響!」
「初めて1人で魔法使いを
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