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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第33話:後始末のイリュージョン
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上空での大爆発。
その爆炎を突き抜けて、デュランダルとシンフォギアが解除された響が落ちてくるのを見た奏は迷わず響の方に向け走り出す。見た所彼女は気を失っている。このままでは受け身も取れず大怪我をしてしまう。
少し危うかったが、地面に激突する前に響を受け止める事に奏は成功した。
すぐに状態を確かめるが、見た所大きな怪我も無いようだし気を失っているだけに見える。
大事が無いようでホッと一息つく奏。その彼女の直ぐ傍に、響と共に落下していたデュランダルが突き刺さり少し肝を冷やす。
「おっと、ふぅ…………ん? あ、颯人は!?」
あと少しズレていたら危なかったなどと考えていた奏だが、颯人が何処にも居ない事に気付き慌てて周囲を見渡した。
見える範囲に彼の姿は見当たらない。響を近くの安全な場所に寝かせて颯人を探すが、彼の姿は影も形も無かった。
そんな馬鹿なと思いつつ、最悪の事態を想像し顔を青くしながら奏は颯人の名を呼び続けた。
「颯人! 颯人ぉっ!? 何処に居るんだ!? 返事をしろっ!!?」
返答は、無い。
想像したくもない最悪の事態が現実味を帯び始め、奏は全身から血の気が引くのを感じた。
「冗談止せよ…………颯人ぉぉぉぉっ!?」
「うるっせぇな!? んな何度も人の名前叫ぶなよっ!?」
突然、背後から聞こえた颯人の怒鳴り声に奏は飛び上がるほど驚きながら背後を振り返った。
そこには、全身ずぶ濡れになりながらこちらに歩いてくる何時もの服装に戻った颯人の姿があった。
予想外の場所からの登場に、奏は面食らいながら彼に近付いた。
「うおっ!? は、颯人!? 何処に居たんだよ?」
「吹っ飛ばされて海に落ちたんだよ、くそ!?」
「大丈夫なのか?」
「大丈夫なもんか!? お気に入りの一張羅が海水でびしょ濡れだ。結構高かったんだぞこれ!」
「要するに、体は何ともないんだろ。心配させるなよ、ったく!」
心配した割には元気そうな颯人の様子に、奏は不機嫌そうに鼻を鳴らしてそっぽを向く。
しかし颯人には、それが彼の身の安全を確認して安堵した事の裏返しであるのを見抜かれてしまった。
結果、彼は先程までの服が濡れて不機嫌そうな様子を一変させ、何時もの飄々とした様子で奏に話し掛けた。
「あれれ? もしかして泣いちゃった?」
「泣くか馬鹿!?」
「はははっ! 悪い悪い、心配かけさせちまったな。な〜に、安心しろって。俺はこの通り怪我一つないからよ」
そう言って颯人は両手を広げてそっぽを向いた奏の視線の先に出る。軽快なステップを踏むその様子には、なるほど確かに不調は見られない。
早くも何時もの雰囲気を取り戻しつつ
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