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戦闘携帯のラストリゾート
怪盗乱麻のサイドチェンジ
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せて。わたしが入れ替わってなくてキュービに近づいた隙にひったくりみたいに盗んだらどうするの? それにわたしとは関係ない普通の泥棒が盗みに来ないとも限らないし」

 宝の管理者が直接持つというのはよくある話だけど、キュービの立場を考えるとこれも違う。開会式で見た宝石も偽物だ。
 
「予想外で、しかもわたし以外には盗まれないような安全な宝の隠し場所。それはリゾートの中で、一番強い人間に持たせていればいい。さっき後ろを歩きながら観察したけど……『緋蒼の石』は、あなたの懐にある。違う?」

 チュニンの表情がゆがむ。どう見ても図星だ。憤慨しているのを、必死に押さえ込んでいる。

「今ここであなたに勝って、宝は頂いていくわ! レイ、銃の戦闘携帯に!」

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 ボールの中から登場したツンデツンデが電光掲示板みたいに光って同意してくれる。自分の形をリボルバーのように組み替えてわたしの手に。
 そして、わたしの体をまるで変身ヒーローみたいに灰色の装甲で覆い、頭にはシャープなヘルメット。顔の表面とまとめていた長い金髪だけが露出する。

「いいでしょう、チュニンも我慢の限界です。アローラにおけるポケモンの力を借りて人間同士が直接戦う【戦闘携帯】になるということはチュニンと直接殴り合う覚悟をしている、ということですよね」

 わたしに向き合って腰を落とす。赤い長髪が、燃えるように揺らめく。

「泣き虫の女の子を殴るのは弱い物いじめをするようで心が痛みますが……ええ、姉様の慈悲を無駄にしたサフィールにもあなたにもお仕置きは必要ですよね。なら、容赦なくぶん殴ります!!」

 どう考えても最後の言葉だけが本音だ。大体わたしが最初に予選で負けて泣きそうになったからって泣き虫の女の子という言葉を持ち出してくる時点で性格が悪い。
 でも、逆に好都合だ。

「そう、本気でやってくれるのね──おかげで、心置きなくあなたを倒して奪い取れる!」
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