アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第三十話 折れることを知らない不死鳥の剣
[7/7]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
わった所だった。それを見たオシリスは敏捷値が許す限りの超高速で大剣を拾い上げソレイユに斬りかかっていく。スキル・ディレイが通常よりも長くセットしてある≪剣聖≫のソードスキルを使ったのだ。この一撃をかわせるはずがない、とふんでの行動だった。先ほどはなった月光剣の最上剣技ではないソードスキルで止めを刺しにかかった。
最上位月光剣技 ≪フルムーン・ディストラクター≫
上段から思い一撃が光の斬撃波と共に相手に襲い掛かるソードスキルであろ。そのソードスキルを発動するために再び上段に構えられた大剣が蒼天を思わせる蒼いライトエフェクトを纏う。だが―――
「な・・・に・・・っ!?」
オシリスがソードスキルを発動させる直前にソレイユの上段からの一閃がオシリスを襲った。本来ならシステムアシストを受けているソードスキルが通常攻撃に力負けすることはまずないのだが、今回はタイミングが悪すぎた。なぜなら、ソードスキルが発動する瞬間、システムのアシストが十分に働いていない状況に攻撃を受けたのだ。要するに、一番力が入っていないときに攻撃を受ければ、いくらソードスキルと言えど通常技に押し負けてしまう、ということである。しかし、オシリスが驚いたのはそこではなかった。
「なぜ・・・動ける・・・スキル・ディレイは、どうした・・・?」
なぜスキル・ディレイ中にそんな精密さを要求する行動ができたのか、それがオシリスの最たる疑問だった。
「お前は気がついて無かっただろうが、グランド・クロスは不発だったんだよ」
「・・・スキル・・・キャンセラーかっ!?」
先ほどのオシリスは転がるようにしてグランド・クロスを避けた。それが良い判断なのか悪い判断なのか状況にもよるが、あの場合はああするしかなかったので仕方がないのだろう。だが、今回はそれが悪手になってしまった。なぜなら、避けている間はソレイユから視線が外れていたことに他ならない。だからこそ、ソレイユはわざとグランド・クロスが避けられた演出をした。だからこそ、オシリスは気が付かなかった。ソレイユにスキル・ディレイなど課されていなかったことに。
「言ったはずだぞ・・・全てがカウンターの布石だと・・・どんな状況だろうと、どんな力だろうと、どんな技だろうと絶対に返す。それが“わたし”の剣だ、と」
驚愕しているオシリスにソレイユは微笑すると長刀に鮮やかな紅色のライトエフェクトを纏わせ、たった・・・たった一言、呟いた。
「“わたし”の勝ちだな、≪冥王≫・・・」
その呟きとともに放たれたのは、≪剣聖≫のもう一つの最上位剣技だった。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ