アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第三十話 折れることを知らない不死鳥の剣
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まさかそんなやり方でソードスキルを無効化し、あまつさえそれを実践に取り入れるなど考えもしなかった。素直にオシリスが感心しているとソレイユが口を開いた。
「感心するのはいいが、いいのか?そこ・・・」
言葉が途切れソレイユの姿が消えると消えた瞬間、オシリスの背後からソレイユの言葉が響いた。
「・・・“わたし”の間合いだぞ?」
声の聞こえた方に視線を向けると長刀を横薙に振るっていた。咄嗟に大剣で防御する。筋力値はオシリスの方が上なのか、体勢が十分でなかったのにもかかわらず押し負けることはなかった。しかし、オシリスは失念していた。今のソレイユは―――二刀流なのである。
防御されたことなど気にも留めず、すぐさまソレイユはいつの間にか順手に持ち替えていた左手の刀で突きを繰り出した。オシリスの顔面を狙ったその攻撃は、オシリスが顔を傾けたため攻撃は直撃しなかったが、それだけでは躱し切れず少しばかり掠り、HPが数ドット削れる。
「ちっ!?」
舌打ちをして不十分な体勢であるにもかかわらず、筋力値任せに大剣を振るう。しかし、ソレイユはそれを刀で器用に去なし、即座にカウンターを放っていく。まさか去なされると思ってなかったオシリスは、そのカウンターを避けることはできずに喰らってしまう。幸い、急所ではなかったのでクリティカルヒットは出なかったものの、ここに来て初めてまともな攻撃を受けた。
その後も甲高い音を立てながら剣戟が行われるが、時折織り交ぜられるソレイユのカウンターにオシリスは翻弄されていく。下手に攻撃を仕掛ければ、手痛いしっぺ返しを食らってしまう。そのためオシリスは攻めあぐねていた。
「嫌味、だぜ・・・!ここに来てそんな奥の手を出してくるなんてな・・・っ!!」
「悪趣味なあんたが言えたことか?」
打ち合いながら雑談する二人であるが、剣戟の勢いは衰えるどころか激しさを増していく。そんななか、上段から勢いよく振り下された大剣を長刀の切っ先で去なすと、そのまま長刀で横薙にカウンターを打つ。今度は後ろに飛び下がることでやり過ごそうとするオシリスだが、ソレイユのカウンターのキレがそうはさせなかった。避けきることができず、鮮紅が舞う。
「・・・・・・これでもよけきれないのかよ・・・」
オシリスのボヤキを無視して、間をおかずに肉薄していくソレイユ。それに応戦していくが、いつ、どの技を返されるかわからないオシリスは精神的に追い詰められていく。そこへ拍車をかけるようにソレイユは不敵に笑いながら言った。
「悪いな・・・全てが布石なんだよ、カウンターのためのな。どんな状況だろうと、どんな力だろうと、どんな技だろうと絶対に返す。それが、“わたし”の剣だ・・・」
それを聞いたオシリスは苦虫を噛んだような表情にな
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