アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第三十話 折れることを知らない不死鳥の剣
[3/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。ジェネシアスをクリアしてきたんだ、そのレベルも頷ける。だが、三十六のスキルスロットに五十近くもあるソードスキルを入れるなんて不可能だ」
「そこで登場するのがこのコートなわけだ」
まるで何かの通販の宣伝みたいなノリでソレイユはオシリスの質問に答えていく。
「≪コート・オブ・アドジョイン・ザ・デス≫、聞き覚えは?」
「・・・・・知っている。だが、それを使おうとするプレイヤーがいるとは思ってなかった」
「だろうな。だが、≪剣聖≫にはおあつらえ向きの装備だろ?」
≪コート・オブ・アドジョイン・ザ・デス≫。死と隣り合わせを意味するその装備の効果はスキルスロットを倍にすると言うものである。しかし、当然のごとく相応のリスクは伴う。防御力ゼロ。もはや防具の意味をなしていない装備である。
「伊達や酔狂でもその装備を使おうとする奴はいないと思ってたんだがな・・・ましてや、今のSAOはデスゲームだ。下手をすれば一撃で死ぬことだってあり得る」
「その一撃を喰らわなければいいだけだろ」
傲岸不遜にも言い放ったソレイユにオシリスの纏う雰囲気が一段と鋭くなった。
「ずいぶんな自信だな・・・・・・ついでにもう一つ聞いておきたい」
「なんだ?答えられる範囲でいいなら答えるぞ?」
「おれときみが闘技場で戦ったとき、最後にきみが放った≪ワールド・エンド≫は発動されなかった・・・それはなぜだ?」
「ああ、スキル・キャンセラーのことか・・・」
「スキル・キャンセラー?」
聞き覚えのない言葉にオシリスは首をかしげるが、すかさずソレイユから説明が入る。
「あらかじめ設定されているソードスキルの動きに設定されていないイレギュラーを起こすことでスキルをわざとファンブルさせる。それがスキル・キャンセラーだよ」
「だが、だからと言ってそう簡単にイレギュラーを起こせるはずが・・・」
「ああ、ないよ」
「なら、どうやって・・・?」
未だに種がわからないオシリスにソレイユは不敵に笑いながら種明かしをしていく。
「簡単だよ。ソードスキルが発動されるのは剣を持っているからだ。ならば、剣を持っていなければスキルが発動されることはない」
「・・・?」
「解らないなら言い方を変えようか。システムが剣を持っているという認識を得て、設定された動作をすることでソードスキルは発動する。ならば、システムが剣を持っていないという認識を与えれば、スキルが発動することはない。つまり、だ。“わたし”がソードスキルを発動させた後にわざと剣を離すことでソードスキルのファンブルを起こしている。これが、スキル・キャンセラーの全容だよ。まぁ、システムが優秀だからできることなんだけどね」
「とんでも、ねぇな」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ