第81話『エンジョイ』
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は大地へのハンデで4人。これが果たして吉と出るか凶と出るか、それは神のみぞ知る。
「しゃあおらぁ!!」
「うわっ!?」
開幕早々、鋭いスパイクが砂浜に突き刺さる。さすが大地、ビーチバレーもお手の物だ。こんなのもはやチートである。
「ボクだって!」
「いいぞ結月!」
負けじと、次のターンで結月も力強いスパイクを見せる。やはり、この2人がお互いにエースだ。もう晴登たちの出番は、もはやボールをトスするだけである。
「おらよっ!」
「ぐっ!」
「ハルト!」
しかし、大地のスパイクを受け止めてみても、あまりの勢いの強さに身体が仰け反ってしまうため、トスを返すことも難しいのだが。
「まだまだ!」
「ナイス、柊君!」
「うん、これなら・・・ふっ!」
晴登が弾いてコートの外に出たボールを、狐太郎がダイブしてコートの中へと戻す。これはファインプレーだ。
すると丁度よくそのボールは結月の真上へと上がり、彼女はそのままネットを超えるほどジャンプして相手に一撃をお見舞いした。
「甘いよ、結月ちゃん! ほっ!」
「リナ!」
「任せます、鳴守君!」
「了解! しゃあっ!」
しかし大地の率いるチームはそう甘くはない。莉奈や優菜は運動が苦手な訳ではなく、むしろ得意な方だ。見事なコンビネーションで、結月のボールを打ち返す。
「暁君!」
「お、おう!」
そしてそのボールは真っ直ぐ伸太郎の元へと向かった。彼はそれに対して、かかとを少し上げ、膝を曲げ、両腕を揃えて構える。
なぜだろう、彼のボールを受けようとする姿勢はとても様になっていた。今の彼なら、もしかすると大地のボールでも打ち返せる…?!
「へぶっ!?」
「暁君ー!?」
だが、ボールが伸太郎の顔面に直撃したのを見て、やっぱりそんなことはなかったのだと思い直した。
*
「ちくしょう、もうビーチバレーなんて二度とご免だ!」
「まぁまぁ落ち着いて」
ボールが顔面に直撃し、伸太郎はビーチバレーに対してトラウマを植え付けられてしまった。
「ホント運動音痴なのね〜」
「あ? 喧嘩売ってんのか?」
「事実言っただけじゃん」
そして莉奈がその傷に塩を塗り込んでいく。
体育祭の頃から思っていたが、この2人の相性はあまり良くなさそうだ。一体何があったのだろう。
「やっぱり俺は休む。もう疲れた」
「ご、ごめん暁君…」
「別にいいさ。少しは楽しかったし」
そう言って、伸太郎はトボトボと元々座っていた木陰まで帰っていった。やはり、彼に運動を強いる
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