第81話『エンジョイ』
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交わした。
というか、林間学校に誘った時に近くにいたのに、会話はしてなかったのかこの2人。
「それじゃ後は大地を連れて来て、何をするか決めようか」
「何も決まってねぇのかよ」
「やりたいことが多いから、人集まった方が意見が出て決めやすいかな〜と」
「…なるほどな」
さて、伸太郎の納得を得たところで、本格的に考えるとしよう。思いつく限り片っ端から遊ぶのもいいのだが、それだと時間が圧倒的に足りない。
「──だったら、ケイドロなんてどうだ?」
「あ、大地。…いや、ケイドロならいつでもできるだろ。せっかく海に来たんだし、海特有の・・・」
「ちっちっち、わかってねぇな晴登。海と言えば、砂浜で女の子とキャッキャしながら追いかけっこするのが常識だろ」
「いやわかんないよ」
どこの常識だそれは。初めて聞いた。
でも確かに砂浜でケイドロというのも、逆に新鮮でいいかもしれない。
「という訳で、連れて来ちゃった」
「こんにちは、三浦君」
「え、戸部さん!?」
大地の後ろから、突然優菜が現れた。全然気づかなかったぞ。
まさか、大地がさっき駆けて行ったのは優菜を誘うためだったのだろうか。そう疑うまでに都合が良すぎる。初めから狙っていたのかもしれない。
「え、でも、クラスの人とか大丈夫…?」
「別にそんな決まり有りませんし。私がこうしたいからしているだけです」
「そ、そっか」
こういう時間は普通クラスや部活動で集まると思ったが、優菜は中々我が強いようだ。
何にせよ、人数が増えるのはありがたい。
「それじゃ早速ケイドロ始めようぜ。異論は無いか?」
大地がそう訊くと、誰も反論は言わなかった。約1名、渋い顔はしていたが。
「よし、ならまずグーとパーでケイとドロに分かれるぞ。せーの──」
*
「待て待て! ケイのレベル高くない!?」
「気のせいだろ。結月ちゃん、そっち行ったぞ!」
「任せて!」
たくさんの人々の間をかいくぐって砂浜を駆け抜ける晴登を追うのは、運動神経抜群の大地と結月。そう、運の悪いことに彼らがケイとなったのだ。
ちなみに伸太郎もケイだったりするが、彼は牢屋の見張りとして待機している。
「さすがに結月からは逃げ切れない…。こうなったら、こっそり魔術を使って…!」
「うわ! ハルト、ズルいよ!」
「これも実力だ!」
結月に背を向けて逃げていたところで、足元の砂を風で巻き上げる。そして即座に振り向いて、砂で視界が塞がれた彼女の横を身をひねってすり抜ける。まさに、風を操る晴登だからこそできる芸当だ。
「ほい捕獲」
「
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