アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第二十九話 剣の頂に立つ者vs冥界を統べる王
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
一言呟いたのはソレイユ。すると、長刀を振りかぶるのではなく、刀身の峰へ左手を添え、刀をもった右手を強く引き絞った。次の瞬間、閃光もかくやという凄まじい速度で刺突がオシリスの意表をつくかたちで放たれた。
「なっ!?」
驚きに声をあげてしまうオシリスだったが、そこは熟練のプレイヤーであった。とっさに大剣で防ごうとする。しかし、ソレイユの方が一枚上手だった。
放たれた刺突が、防御に使われた大剣をすり抜けるように軌道を変えた。その先にはオシリスの顔面がある。咄嗟に顔を横にそらしたが、頬の辺りを掠めてしまう。
「ちっ!?」
舌打ちをして距離をとるために後方に向けて地面を蹴った。ソレイユは追撃する様子を見せず、残心を行っていた。ある程度距離が空けるとオシリスは 口を開いた。
「流石はレジェンド・クエストや三界の獣神を単身でクリアしただけのことはあるな」
「つかれたけどな」
「二つほど聞きたいんだが、どのクエストをやった?どの界位を相手にした?」
「レジェンド・クエストの方はフェニックスの守護、三界の獣神の方はクリスタル・オーシャンだ」
「・・・・・道理でな。アポカリプスがきみを選ぶわけだ」
「何がだ?」
オシリスの言葉に疑問を感じるソレイユ。オシリスは感嘆した様子で説明を始める。
「きみが≪剣聖≫を発動させたことに納得がいったんだよ。剣聖の発動条件は二つ。一つ目は全ソードスキルをある程 度マスターしているということ。もう一つがこの世界で一番の使い手だってこと。つまりはこの世界で最強に与えられるユニークスキルが≪剣聖≫ってことだ。まぁ、それはアポカリプスの独自の判断によるものなんだがな。それで、アポカリプスが≪剣聖≫を持つにふさわしいかを判断するために戦いを仕掛けるという訳だ」
「・・・・・なるほど、だからあの時アポカリプスは現れたわけか。だが、おかしいな、あの時はまだレジェンド・クエストはクリアしてなかったぞ」
「変わりにフロアボスを単独で撃破しているだろうが。その後、レジェンド・クエストを単独で突破できるほどの実力を持つきみとシリウス、ベガ。その中でアポカリプスと邂逅し、ソードスキルをほとんどマスターしているのはきみだけだからな。だから、ソレイユ、きみに≪剣聖≫が宿ったというわけだ」
「ふぅ〜ん」
興味がないというような感じで頷いたソレイユはオシリスに斬りかかっていく。しかし、何の変哲もない袈裟切りを喰らうほどオシリスは甘くない。ソレイユの斬撃を受け止め、鍔迫り合いになっていく。そんなとき、鍔迫り合いをしながらもオシリスはソレイユに向かって疑問を投げかけた。
「不思議だな。きみの剣からは憎しみも怒りも感じない」
「・・・・・ずいぶん難しいことを言うんだな」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ