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夢幻水滸伝
第百三十五話 中国軍の反撃その六

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「敵は私達の地震の術で大きな打撃を受けています」
「進軍も攻勢も止まりましたね」
「まさにここで」
「私達は攻勢にでるべきですね」
「全軍で、そうすれば」
「勝敗は決しますね」
「そうなります」
 間違いなくというのだ。
「そうなりますので」
「では」
「総攻撃をお命じ下さい」
「わかりました」
 太宰はここでも雅の言葉をよしとした、そしてだった。
 全軍を以ての総攻撃を命じた、日本軍は寡兵であったが今はもうそんなことは問題にならなかった。
 地震や津波で大きな打撃を受け動きを止めた中国軍は陸でも海でも日本軍の攻撃を受けた、大砲に銃が火を噴き術が放たれる。
 槍が突き出され馬達が嘶き刀の光が瞬き。
 日本軍はまさに一丸となって攻める、滝沢は自ら先陣を切り両手に一本ずつ持っている刀で敵を切り割いていく。
 そうしつつだ、兵達に言った。
「我等は勝つ!今それを手にする時だ!」
「はい、では」
「ここは」
「攻めろ!休む間もなくな」
 そうしろと言うのだった。
「いいな、ここは」
「わかりました」
「ではです」
「ここは攻撃に出ます」
「休む間もなく」
「弾や矢、術は尽きるまで撃て」
 そちらはというのだ。
「そして刀もだ」
「折れるまで、ですね」
「それまで」
「振るえ、全てがなくなれば」
 その時はというと。
「下がれ、そしてだ」
「補給を受ける」
「また弾や刀を受け取るのですね」
「術は薬がある」
 気力を回復させるそれがというのだ。
「それを使ってだ」
「気力を回復させて」
「また戦うのですね」
「飯も食え、飯は弁当がある」
 それはもう全ての将兵達が持っていた。
「それを少し下がって食ってだ」
「また戦場に戻る」
「そうしてですね」
「戦っていき」
「そして勝つのですね」
「そうだ、今は攻める時というのを忘れるな」
 決してというのだ。
「いいな」
「承知しました」
「ではこのままです」
「戦っていきます」
 兵達も滝沢の言葉に頷いてだった。
 皆刀を振るい槍を突き出す、矢が飛び鉄砲が火を噴く。日本軍は一も二もなく攻めた。そしてだった。
 中国軍を総崩れに追い込んだ、その時に。
 一騎打ちも決着がついてきていた、魯は禁鞭を振るった。
 鞭は凄まじい範囲を打ち据える、だが。
 北原は鞭の動きを冷静に見てかわす、魯はそれを見て歯噛みした。
「速いな」
「巨体に似合わずでごわすな」
「力士は素早いっていうが」
「その通りでごわす」
 北原は冷静な声で答えた。
「おいどんは相撲が得意でごわす」
「それでやな」
「そうでごわす」
 まさにというのだ。
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