第164話
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い女性は存在しないのか。」
「何なんや、アソウ属性って!
僕も女の子にモテたいのに、何でキョウやんに全部持って行かれるんや!!」
「本当に麻生君と何かあったのかしら。」
「私は麻生君を狙っていたけど、制理だったらお似合いかも。」
と、生徒達であれやこれやと噂話をする。
しかし、彼らの発言もあながち外れていない。
だからこそなのか。
顔を真っ赤にして慌てて言う。
「だ、だから!
何ともないって言っているでしょうが!!」
「顔を真っ赤にして言われてもね。」
「うん、説得力が全くない。」
余計に彼らの噂を広げてしまったようだ。
彼らが制理の事で盛り上がっている最中、麻生の元には上条と姫神が居た。
「それで。結局のところはどうなの。」
姫神も結構興味があるのか、制理ではなく麻生に聞いてくる。
麻生自身はそんな話に興味ないのか、そっけない態度で答える。
「どうでもいいだろ、そんな事。」
「それ。彼女が聞いたら悲しむ。」
「でも、恭介が青春を謳歌する所は全く想像できない。」
「それには同意。」
「お前ら・・・・」
結局、小萌先生が教室に着くまでは騒ぎは治まる事はなかった。
そんなこんなで昼休みである。
制理は少し周りの視線を気にしながらも、麻生が作ったお弁当を取り出した。
教室の中には弁当組しかいない。
購買組や学食組の連中は、授業が終わると同時に走って教室を出て行った。
廊下では走っている生徒に小萌先生が、注意している声が時折聞こえる。
しかし、男子生徒のほとんどが購買組と学食組だ。
彼らが帰ってくる前に弁当を食べ終えれば、さらなる荒波を立てる事はない。
「珍しい。お弁当。」
と、弁当組の姫神が制理が持っている弁当を見て言う。
「う、うん。
早く起きたから、作ってみたの。」
「でも。前に弁当の話をした時。作るのが面倒って言ってた。」
「うっ・・・・い、いつも秋沙の弁当を見てパンとか食べていたから、興味が湧いたの。」
話をしながら考えた。
弁当は自分で作ったと言い張ればいいのでは、と。
姫神が言った事は嘘ではない。
実際に作るのが面倒だから、パンとか買って食べていた。
いつもパンなどを食べている制理が、弁当を食べたら不審に思われるだろうが、さっき言ったように言い訳を言えば何とか乗り切れる。
そう考えていた制理だった。
しかし、その幻想は一瞬でぶち殺された。
「制理、俺の作った弁当の味はどうだ?」
後ろから麻生の声が聞こえて、制理の表情が凍る。
もちろん、その発言を聞き逃すクラスメイトではなかった。
瞬く間に、制理の周りに生徒達が集まる。
朝のような騒ぎにな
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