第164話
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う。
「大丈夫だ。
あいつらはローマ正教じゃない。
別の集団に所属しているから、戦争には関係ない。」
その言葉を聞いて二人は少しだけ安堵の表情を浮かべる。
二人の表情を見て麻生は思う。
(まだ話す時じゃない。
せめて、愛穂が戻ってくるまでは短い間でも、平穏な生活を過ごしてほしい。)
朝食を食べ終わった。
これから麻生達は学校に向かうので、皿洗いは桔梗が引き受けてくれた。
その間に制服に着替えて、学校に向かう準備をする。
すると、麻生から赤い巾着袋を渡される。
「昼の弁当だ。」
「作ってくれたの?」
「これがないと購買とかで買う羽目になるだろ。」
麻生の手作り弁当を貰って内心は嬉しい制理だが、素直にその気持ちを言葉にする事ができない。
「あ、ありがとう。」
小さく呟き、顔を赤くするだけでそれ以上の事は言えなかった。
麻生は特に気にすることなく、鞄を持つ。
「ほら、行くぞ。」
「ちょ、待ってよ!」
「いってらっしゃい。」
麻生と制理はマンションを出て、学校に向かう。
二人は並んで歩いて向かうが、会話がない。
制理自身、何か話さないといけないと思っているのだが、考えれば考えるだけ頭が真っ白になる。
二人っきりという状況がさらに、制理の頭をさらにパニックに陥れる。
こうして見ると、制理も恋する乙女である事がよく分かる。
結局、ロクに言葉をかわす事なく学校に着いた。
クラスに入ると、クラスの女子生徒達は制理に心配そうな顔をして近づいてくる。
「制理、体調はどう?」
「うん、もう大丈夫。
昨日はありがとうね。」
制理が女子生徒と話している内に麻生は自分の席に座る。
ある程度離れた所を女子生徒達は確認すると、ニヤリ、と笑みを浮かべて聞く。
「それで、麻生君とはどうなったの?」
「ふぇ!?
ど、どどど、どうしてそんな事を聞くのよ!?」
「昼休みからずっと制理の傍にいて、制理も麻生君の手を繋いで、これは何かあったて事でしょう。」
「私達、昨日からずっと気になっていたんだから、さぁ色々と聞かせてもらうよ。」
「何もないわよ!
ある訳がないでしょう!
恭介と私の間にそんな事がある訳が!」
決定的な発言をクラスの全員(一部の除く)は聞き逃さなかった。
吹寄制理は基本的に男性の名前を呼ぶときは、名字か貴様、と呼ぶ。
そんな制理が麻生の事を恭介、と名前で呼んだのだ。
女子生徒だけではなく、男子生徒も制理に集まって聞いてくる。
「まさか、あの難攻不落の吹寄城が破壊されたのか!?」
「カミジョー属性も受け付けない鉄壁の吹寄がか!?」
「アソウ属性、もはやコイツに落されな
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