アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第二十七話 全てを穿つ必殺を持つ狼の槍
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心の内を呟きながら再び攻撃を仕掛けていく。八方塞という訳でもないが、このままでは埒が明かないと思い、怒涛の攻撃を仕掛けながらも何か打開策がないか考える。しかし、たいした案は思い浮かばなかった。いや、一つだけ可能性があるのだが、それを実行するのは少しばかりためらわれた。
「あれしかないんだろうが、あんま使いたくないんだよなぁ・・・」
うんざりしたように呟くシリウス。そんなことを言っている間にも、アメミットの単調な攻撃は続いていく。シンプル・イズ・ベストとは違うが単調な攻撃も時と場合によっては厄介極まるものだ。
「貧乏くじだな、こりゃ。誰だよ、残り物には福がある、とか言った奴は・・・」
見ず知らずの他人に理不尽極まりない言葉を述べるシリウス。実際には、残り物には福があるということわざは慰めの言葉であって、言葉通りの意味ではないのだ。しかし、そんなことをわかっていながら文句を飛ばしてしまうのは現状を見れば仕方ないものだろう。
「仕方ねぇ、か・・・」
溜息をつきメニューウインドウを開いてスキル設定画面を表示させものすごい速さで操作を行っていく。あまりにもその無防備な姿にアメミットは攻撃を仕掛けて行くが、腕を大きく振りかぶったところでシリウスのウインドウ操作が終了した。攻撃を振りかざすという、無防備な状態をさらしているアメミット。しかし、次の瞬間、先ほどよりも数段速い速度で腕が振り下されたが、シリウスは動じることなく、攻撃圏外へと退避する。そのためアメミットの攻撃を回避することはできたが、距離が開いてしまいこちらの攻撃が届かない。だが、今のシリウスにそんなことは些細な問題だった。間合いを詰めようとすれば、アメミットの攻撃がシリウスに放たれる。それを回避してアメミットとの距離を詰めていく。当然のごとく攻撃がやむことはない。
「おらっ、よっとぉ」
アメミットの攻撃をかいくぐり、足元で攻撃を行うと先ほどまで与えていたダメージが嘘のようにダメージが通った。それを見たシリウスは得心がいったというように頷いた。
「≪神槍≫が弱点、という訳でもないみたいだが、有効的ではあるみたいだな」
ユニークスキル≪神槍≫。その効果は武器ダメージと相手の相性の無効化である。わかりやすく例えると、防御力の高く、外面が固いタートルタイプのMobに対して有効なのはハンマーなどの打撃武器である。それを、刀などの斬撃武器で攻撃したとしてもたいしたダメージを与えることはできない。
固いものには打撃を、柔らかいものには斬撃を。それはどのゲームタイトルだって同じである。
だが、≪神槍≫というユニークスキルは、その武器の攻撃特性と相手の防御特性を無視して攻撃を通すことができるということ。つまり相性を一切無視してダメージを与えることができるという訳
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