15,新たな武器
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上にはわからない。
とりあえずストレージに入れてみると、アイテムの名前もモンスター像となっていて、結局ナニかわからなかった。
よく言えば抽象的、悪く言えば下手くそだ。
「ストレージ圧迫するだけだし、売ろうぜ。ついでに装備新調しない?」
この24層には攻略最前線ということもあり、多くの職人プレイヤーが滞在している。
市場自体の大きさは小さいが、それでも品揃えは現在最高に近い。
ヤヨイの同意を得て、俺達は市場へと繰り出した。
市場は恐ろしいほど盛況で、所狭しとプレイヤーショップが軒を連ねていた。
武器に防具に、装飾・服飾。果ては食事まで様々な生産系プレイヤーが声をはりあげている。
一軒一軒をゆっくりと回っていくが、これという逸品には巡りあえていない。
「う〜〜ん、なかなかイイのがないなぁ。ヤヨイは?」
「ブーツはそこそこのものが。ただ、今日は武器を探しに来たので」
どうやらお互いに不調なようだ。
プレイヤー市場でアイテムと巡りあうなんてリアルラックもいいところだ。こればっかりはカーディナルシステムだろうが何だろうがどうしようもない。
これさえ解決してくれれば、MMO固有のでの市場巡回がなくなって画期的だったのに。
「……物欲センサーを解除するバフとか茅場作ってくれなかったのかなぁ……」
「物欲センサーって何ですか?」
ヤヨイは手に綿飴らしきお菓子を持って、首を傾げている。
「探しているときは全く見つからず、探していない時とかに見つけることのネットスラングだよ」
「ああよくありますね。探していた古刀を諦めて新刀を買ったら、次の月くらいに古刀を見つけてしまった……とかですね」
よくは分からないが、納得してくれたみたいだ。
……というか、もの凄い事をサラリと言った気がする。気のせいだろう、うん。
「まあ、とにかくそろそろ戻ろうか。市場も終わりみたいだし……ん?」
俺は市場の端に何やら強烈な違和感を感じ、立ち止まった。
ごく一般的な商売用の絨毯に幾つかの武器が並んでいる。
片手剣から両手剣・斧・ナイフに至るまでプレイヤーメイドでありながら何処か洗礼されたデザインの品々。
モンスタードロップの商品と違い、プレイヤーメイドの商品は腕によりその光沢が微妙に変わる。
この店の商品達はどれも他の商品たちとは一線をかしていた。
そして、なぜか店先にいるのが少女だという点も妙な違和感を覚えてしまった原因だろう。
ショートカットに切りそろえた髪をピンで止めただけの茶髪。
幼さの残る顔つきは、客がいないにも関わらず強張っている。
両手もしっかりと閉じた足の上でグッと握りしめてしまっていて、とても商人とは思えない。
「ちょっと行ってみよう」
ゆっくり
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