ターン27 「呪われし」懐古の悲願
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くり付けられたシャイン・クローが、ワキワキとその爪を動かす。
「私の墓地に魔法及び罠が存在しないとき、手札のモンスター1体を捨てることでカカ−Cはそのリンク先に超重武者1体を守備表示で蘇生できる。コストとして超重武者テンB−Nを捨て、このテンB−Nを対象に……」
「あら残念、屋敷わらしよ。墓地のカードに触る効果は、これを捨てることで無効になるわ」
外は昼間だというのに突如として射し込んだ月光に照らされて、起動したはずの機械の案山子が突如としてその出力を落とす。両目からも光が失われ、文字通りただ立ち尽くすのみの鉄くずの塊と化してしまったカカ−Cを前に、小さく舌打ちする。この再序盤から、いきなり2度にわたる妨害とは。
「カードを伏せ、ターンエンド」
「ふふっ、そんなに眉間に皺を寄せないの。お肌は正直なんだから、そろそろ痕が残り始めるわよ?私のターン、ドロー。永続魔法、呪われしエルドランドを発動」
部屋中に所狭しと乱雑に積み上げられたカードが、七曜の位置を中心としてその姿を変化させていく。あるひと山は黄金の騎士像に、床に放り出された数十枚は黄金の階段に……しかしその大部分は、見上げるほどに途方もなく巨大な黄金の宮殿の一部となる。当然そんなものが入るほど、このマンションは大きくない。ソリッドビジョンがすぐ上の天井に、果てしない宵闇の空を投影したのだ。
気が付けば鼓の足元も、いつの間にか黄金に輝く石畳に変化していた。光を感じてふと見上げた宮殿の最上部では、そこに安置された不気味に赤く光る宝石が脈動していた。
「呪われしエルドランドの効果発動。800のライフを払うことで、デッキからエルドリッチ、または黄金郷1枚を手札に加えるわ。私が選ぶ1枚はモンスターカード、黄金卿エルドリッチ」
七曜 LP4000→3200
エルドランドの赤い宝石がひときわ強く血の光を放ち、七曜がデッキからレベル10ものモンスターを選んで手札に加える。
「そして手札から、黄金卿エルドリッチの効果を発動。このカードと手札の魔法、または罠1枚を捨てることで相手フィールドのカード1枚を対象に取り、そのカードを墓地に送る。そして私が選ぶのはその伏せカードよ、ミリオネクロ・カース!」
階段の最奥、エルドランドの正面扉が音もなく開き、黄金の衝撃波が空気を震わせ放たれる。それをまともに浴びた鼓の伏せカードが強制的に浮かび上がり、その下側から侵食されるようにベキベキと音を立てて黄金に変化していく。
「ちっ……!」
黄金製になったカードが、音もなく崩壊した。辛うじて読み取れたそのカードの名は、メタルフォーゼ・カウンター。自分フィールドのカードの破壊をトリガーとしてデッキからメタルフォーゼ1体をリクルートするトラップだったが、
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