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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン27 「呪われし」懐古の悲願
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口調は軽いが、視線は冷たく警戒心も露わだ。先ほどのバトルフェーダーもそうだが、鳥居浄瑠というその名前、そして腕に装着された通常モデルより一回り大きなデュエルポリス専用デュエルディスク。七曜にとっては、あからさまに敵の登場だった。

「……」

 そしてその敵意は、鳥居の側も隠そうとはしない。無言のままにデュエルディスクとバトルフェーダーを消費したことで1枚減った計4枚の手札を構え、突如として乱入したこのデュエルの継続を促す。

「……ちょっと待ちなさいよ。いきなりやって来て2対1?どうせあなたも倒さなきゃ『BV』は使えないのよね、それにしてもさすがにハンデぐらいは貰うわ。手札3枚とライフ2000の追加、最低でもこれぐらいは呑んでくれなきゃ嫌よ」
「好きにしろ」

 乱入の条件として挙げた条件は、あっさりと了承される。というよりもどんな条件だろうともそこへの興味自体がないのだろう、そう鼓の目には映った。その傲慢とも取れる態度と、つい数日前、行方不明になる少し前にわずかな時間だけ顔を会わせた時の様子。元同僚が邪険に扱われることへの怒りよりも先に、まず空恐ろしさが湧くのを感じた。

 七曜 LP1400→3400

「……カードを1枚伏せて、ターンエンドよ」

 素早く引いた3枚の中から1枚をフィールドにセットし、本来ならばデュエルの終了によって訪れなかったはずのターンエンドを宣言する。スキルドレインとスターダスト・ドラゴンの二重の守りに、謎めいた伏せカード。手札わずか4枚の鳥居に早々突破できる布陣とは思えなかったが、当の本人はそんなことはまるで意に介した様子もない。

「俺のターン、ドロー」

 つまらなさそうに、カードへと目を通す。そして流れるように淀みなく、その手がカードを選んだ。

「ライト(ペンデュラム)ゾーンにスケール1の魔界劇団−デビル・ヒール、レフトPゾーンにスケール8の魔界劇団−ファンキー・コメディアンをセッティング。ペンデュラム召喚!来い、サッシー・ルーキー、プリティ・ヒロイン!」

 1と書かれた光の柱とその内部の紫の巨漢、それと対になるのは8と書かれた光の柱と黄色の肥満体。その中央に開いた空間の穴からは、2体の劇団員が呼び出される。ペンデュラムデッキならばこれはあまり役に立たないかと、七曜が自分の伏せカード、墓穴の指名者へとわずかに視線をやった。

 魔界劇団−サッシー・ルーキー 攻1700
 魔界劇団−プリティ・ヒロイン 攻1500

 しかし鼓、そして七曜の両者にとっては知る由がなくわかるはずもないことだが、このプレイングは明らかに異常であった。そもそも鳥居浄瑠のスタイルは根っからのエンタメ気質であり、モンスターごとの動きや人格設定を可能な限り活かそうとするそれはいついかなる時
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