51 別れの寄せ書き
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「そうだよ、りえちゃんに失礼じゃないか!」
まる子も藤木も杉山に反論した。
「そういうの苦手なんだ。俺、ちょっと用事あるから、またな」
杉山はそう言って去っていった。
「す、杉山君!!」
りえは教会のピアノを使って練習する最後の日となり、最後の練習をしていた。その時、礼拝堂のドアが開いた。
「あれ、皆、どうしたのっ?」
かよ子達が入って来た。
「りえちゃん、最後にと思って皆で色紙に寄せ書きしてきたんだ」
「あ、ありがとう・・・」
「杉山君は用事があるって言って書かなかったんだ・・・」
「そっか・・・、皆、私の為にどうもありがとうっ・・・!!」
りえは感動で泣きそうになった。
「だってえ、アタシ達ずっと友達じゃん」
「来年もまた一緒に遊ぼうね!」
「うんっ・・・、私、皆の事、本当に忘れないから・・・。本当だよっ・・・!!」
「りえちゃん・・・」
「コンクール頑張れよ。応援してるからさ」
「うんっ!」
「じゃあね!」
皆は教会から出て行った。だが、りえは杉山が書いていない事に不審に思った。
(なんで杉山君だけっ・・・!?)
杉山はインターホンが鳴ったので玄関の戸を開けた。
「はい、・・・う」
相手はりえだった。
「どうしたんだよお?」
「これっ、何で杉山君だけ書いてないわけっ?」
「俺、そういうの苦手なんだ。何書いていいかよくわかんねえし・・・」
「我儘言ってないでちゃんと書きなさいよっ!」
「ちょっと待てよ。別に俺一人だけ書かなくてもいいだろ?」
「よくないっ!絶対よくないと思うっ!明日、教会のピアノを借りたお礼を言いに行く事になってるのっ。1時までにシスターに渡しておいてくれればいいわっ」
「だから俺は書かないって・・・」
「だめっ!そう言う事だからっ・・・」
りえは怒り顔から笑顔に変える。
「じゃあねっ・・・」
りえは去った。
「なんだよ、あいつ・・・」
杉山は何て書いていいか迷った。
かよ子は家に帰った。
「お母さん、りえちゃんに寄せ書き、渡せたよ」
「よかったわね、お疲れ様」
午後になり、誰かが山田家のインターホンを鳴らした。かよ子の母が出る。
「はい。あら、安藤さん!?」
現れたのは杯の所有者の母だった。その所有者である娘もいた。
「かよ子、りえちゃんよ」
「うん」
かよ子は下に降りてきた。
「りえちゃん!!」
「かよちゃんにお礼を言いに来たのっ。友達になってくれた事や私達とこれからの戦いに協力してくれた事にね」
「私も静岡に来てよかったと思うわ。りえと友達になってくれてありがとうね」
「は、はい。こっちも楽しかったです」
「安藤さん。また何かあったらお互い連絡を取り合いましょう」
「はい、それではまたい
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