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ペルソナ3 幻影少女
後編
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い熱気に呼吸ができない。
「待てシンジ。」
それでも真田は美紀に手を伸ばした。
「うるせい。来い!」
荒垣は背後から手をまわして真田の体を抱え込むと、力任せに引っ張ってドアから飛び出した。
「美紀!」
炎の中でシャドウと激しく戦う姿がかすんでいき・・・・・
そして、二人はタルタロスの地面に倒れこんだ。

「先輩!」
「真田さん!」
『彼女』と天田の声がかぶる。
起き上がった荒垣が周りを見回す。タルタロスの元の場所だった。
(帰ってきた。真田さんもいっしょに・・・。)
二人の姿を確認し、『彼女』の眼に涙が込み上げてくる。
しかし無事な姿に安堵する間もなく、二人が飛び出してきた空間から、いきなり炎が噴出した。
「来ます!」
アイギスが叫ぶ。
噴き出した炎の中から、まず『彼女』と瓜二つの姿をした美紀が飛び出してきた。そしてそれを追うように強敵シャドウの禍々しい姿が現れる。
「美紀!」真田が叫ぶ。
「ごめん、私じゃ止めきれなかった。」美紀が答えた。
『彼女』に背を向けて立ちはだかった美紀は、「あなたの力をかして!」と声を上げてシャドウから距離をとるかのように後ろに飛び去る。そして、そこに立っていた『彼女』と重なり、そのまま二人は一体となった。
何が起きたのかもわからないまま、『彼女』はいきなり全身に力がみなぎるのを感じた。そしてそれを抑えきれず、薙刀《なぎなた》を振り上げると、「ええい!」とシャドウに切りつける。
あれだけしぶとかったシャドウがその一撃で、驚くほどダメージを受けて後退した。
続けてアイギスが機銃掃射で牽制。
真田がポリデュークスを、荒垣がカストールを呼び出す。二人の同時攻撃がさく裂する。
「ペンテシレア!」
さらにそこに氷結攻撃がシャドウに放たれた。別チームが美鶴を先頭に駆けつけてきたのだ。2チームが合流し9体1の戦いとなった。
休みなく繰り出される息の合った波状攻撃に、さしもの強敵シャドウも完全に劣勢に回った。
一方的に攻撃を受け、シャドウの動きが鈍ってくる。
「総攻撃チャーンス!」
ゆかり が上げた声に合わせるかのように、全員一斉の総攻撃。
そしてついに、真田のアッパーを食らってシャドウが体勢を崩した。
「これでとどめ!」
『彼女』の必殺の一撃がシャドウの仮面をたたき割る。
雄叫びをあげ、シャドウは黒い塵となり崩れ去った。

勝った!

一同は歓声を上げた。
「明彦!」
「真田さん!良かった!」
みんなが真田に駆け寄り、声をかける。
『彼女』も真田を振り返り、にかっと笑ってみせた。
薙刀《なぎなた》を片手に仁王立ちのその姿を見つめて、真田はふっと笑った。
(守りたいと思っても、大人しく守られているような奴じゃないか・・・まったくだ。)
それから軽く首を振る
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