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ペルソナ3 幻影少女
前編
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眩い光の中で、真田の姿が消失した。
「真田先輩が消えた。」
『彼女』が茫然とした声で言った。
「えっ?」
慌てて ゆかり は周りを見まわしたが、確かにどこにも真田の姿は見当たらなかった。
「あれ? だって、たった今までここで一緒に戦ってたじゃない。」
ゆかりが声を上げる。
タルタロスの探索中、遭遇したシャドウと戦闘になった。
『彼女』がシャドウの攻撃を受けて倒れ、真田がそれを守るように前に出た。ゆかり はすかさず『彼女』に回復スキルをかける。
真田のペルソナ、ポリデュークスの電撃がさく裂し、稲光が激しく明滅する。
体を起こしたとき、『彼女』の目に映ったのは、光に吸い込まれるかのように消えていく真田の姿だった。
光が消えたあと、そこには誰もいなかった。真田も・・・そしてシャドウも・・・。
コロマルがにおいを探してぐるぐるとあたりを歩き回ったが、やがてあきらめたような顔つきで「クウーン」とこちらを向き直る。
【ゆかりちゃん、聞こえる?】
ふいに風花の通信が入った。
「風花!聞こえるよ。良かった。通信が戻ったんだね。」
しばらく前に途絶えた通信が回復したようだ。
「お願い真田先輩を探して。どこにいったかわからないの。」
ゆかり の必死の声を聞いて、風花がはっと息をのむ。
そしてしばらく時間をおいた後、困惑したような声で答えが返ってきた。
【真田先輩の反応、有りません。まるでどこかに消えてしまったみたい。】
『彼女』とゆかりは緊張した面持ちで目を交わした。
「これは・・・まさか・・・。」
ゆかりの問いかけに「あの時と同じ。」と『彼女』が返す。
その後、時間いっぱいまで捜索したが、とうとう真田を見つけることはできなかった。

その日のタルタロス探索は、リーダーである『彼女』と真田、それに ゆかりとコロマルというメンバーであった。
男性が一人、しかも三年生一人ということもあって、真田もいつになく気を使って慎重に探索を進めていた。しばらくは問題なく進んでいたが、影時間の終盤になって事件は起きた。
まず山岸風花との通信がいきなり途切れたのだ。
ゆかり が慌てて風花の名を呼んでいるところで、どこから来たのか唐突にシャドウが出現した。まるで別の空間からその場所にいきなり現れたかのように・・・。
ねじ曲がったパイプの集合体のような姿。手足が蛇の塊のようにうねっている。身体の中央に巨大な仮面。現われたシャドウは忘れることのできない姿をしていた。
以前、このシャドウと出くわして戦闘となった際、不意打ちを食らって真田と順平が倒された。『彼女』がそれを庇って敵を引き付けているうちに、皆とはぐれてしまったのだ。全員でタルタロスを探し回ったが『彼女』を見つけることはできなかった。そういえばあの時も、直前に風花との通信が途絶えていた
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