第三章
[8]前話
「仕事も猫とか他の生きもののことで」
「やりがいがあるか」
「そうなりました」
こう言うのだった。
「早寝早起き、整理整頓も出来て」
「癒されてな」
「それで仕事にも前向きになれて」
「その仕事がやりがいのあるものばかりか」
「もう何もかもがですよ」
それこそというのだ。
「よくなった」
「そんな感じだな」
「ニャーコのお陰で」
「いいことだな」
「はい、それに」
「それに?」
「実はですね」
その明るい顔で言うのだった。
「ペットショップでキャットフードとか買う時に店員さんと猫の話してたら」
「どうなったんだ?」
「若い女の店員さんでしたけど」
「ああ、その人とか」
「仲良くなって」
それでというのだ。
「付き合う様になりました、凄くいい娘で」
「新しい恋にも出会えたんだな」
「そうなんですよ」
「おいおい、全部な」
「ニャーコがもたらしてくれてますね」
「そうだな」
まさにというのだ。
「聞いてると」
「俺もそう思います、猫が来てくれて」
「それでだな」
「俺よくなりました」
「それは何よりだ、じゃあこれからもな」
「はい、ニャーコと一緒に幸せになっていきます」
笑顔のまま言う、そしてだった。
猿野は盛田と別れようとした、だが。
ここで盛田は猿野を飲みに誘った、彼にとっては社交辞令だったが。猿野は彼に対して明るく笑って話した。
「今日うちにその娘が来るんで」
「ペットショップのか」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「申し訳ないですが」
「そうか、じゃあな」
「また」
「二人の女の子と仲良くな」
盛田は自分と別れた猿野の背に笑顔で声をかけた、すると猿野も振り向いて笑顔で挨拶をした。それは幸せの中にある笑顔だった。
猫がもたらすもの 完
2020・5・22
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