第97話 罰と誓い
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と世迷い言を言わないでしょうね」
揚羽は淡々に無表情で言いました。
劉備への貸しを返せって・・・・・・。
借金取りじゃないんですから・・・・・・。
でも、桃香から貸しをいずれ返させるのは避けて通れないでしょう。
「正宗様、ご真意をお話くださいませんか? 冥琳殿も正宗様のご真意を聞く事が適えば、あなた様の御心に沿うと存じます」
黙る私に揚羽は発言を求めました。
「当然です〜」
風、ナイスフォローです。
「風、あなたに聞いていません」
揚羽は憮然とした表情で風に言いました。
「揚羽、心配するな。劉備への貸しは必ず返して貰う」
風のお陰で揚羽に冷静な回答をすることが出来ました。
「その言葉、信じて良いのですね。天に誓うことが出来ますか?」
揚羽は私の神妙な表情で見つめました。
周囲に目を向けると冥琳以下、他の家臣も私を凝視しています。
私は彼らの視線が気まずくなり、揚羽に視線を戻しました。
「天に誓うまでもない。貸したモノは返して貰うのは当然のこと。だが、揚羽が望むなら、天に誓おう。この私は劉備に貸しを返して貰う」
私は桃香に対し、苛烈な要求を行うことができるのでしょうか?
善人、悪人問わず淡々と己の進む道の障害になる者を排除していく・・・・・・。
これが私の進むべき道、選んだ道です。
私の優柔不断な判断の為に、揚羽に心配させていたのですね・・・・・・。
そう考えると揚羽と真悠に罰を加えることが心苦しくあります。
「正宗様、私はその言葉を決して忘れません」
「不満はございますが、正宗様の方針に従います」
冥琳も納得したようです。
私は肩の力が急に抜けました。
その後、時を置かずにして、揚羽と真悠への罰が執行されました。
私は揚羽達の罰が執行される間、その場所で彼女に下される罰から目を背けずに見ていました。
棒叩きと思って甘く考えていましたが、その光景を見て考えを改めました。
拷問の間違いじゃないでしょうか?
揚羽と真悠は苦痛に顔を歪めながらも黙って痛みに耐えていました。
途中から、見ていられずに目を反らしそうになりましたが、風が私に目を反らさぬように言ってきました。
「自分の命じたことから目を背けてはいけません」と言われました。
風の言葉は最もなのですが、見ていられません。
女の子をあんな凶悪な棒で殴りつけるなんて・・・・・・。
永遠とも感じられた揚羽達への棒叩きの刑は一刻程で終わりました。
私が叩かれていた訳ではありませんが、憔悴してしまいした。
私は罰が終わると、誰の目を憚ることなく、一目散に揚羽の元に駆
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