第23節「君でいられなくなるキミに」
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、響の両腕のアーマーが合体する。
S2CAの形態だ。右腕に、虹色の光が収束していく。
「ブッ放てッ! 響ッ!」
「はああああ……ッ!」
そして響は、その拳を天高く突き上げた。
巨大な虹色の竜巻が、大空へと登って行く。
その光景は、交戦区域から避難していた未来達の目にも届いていた。
「──嫌だ……二人が遠くに行っちゃうなんて……」
たまらず、未来は竜巻の方向へと走り出す。
「小日向さんッ!」
「どうしたのッ! ヒナッ! そっちは──」
「紅介、これ預かっててッ!」
「おおい!? ミラちゃん!? 何処行くんだよッ!」
「小日向さんを放ってはおけないッ!」
友人達を置き去りに、恭一郎は未来の後を追い、全力で駆けていった。
ff
「吹き荒れる破壊のエネルギーを、その身に無理矢理抱え込んで……」
「二人を……助けたのか?」
交戦区域からの映像に、マリアとツェルトは驚く。
「繋ぎ繋がることで、絶唱をコントロールできるあの子にとって、これくらい造作もないというわけですか……うッ、ゲホッゲホッ……」
「ッ! マムッ!」
「マム、しっかりッ!」
やはり、応急処置では限界があったらしい。
ナスターシャ教授は再び吐血し、口元を抑える。
「心配いりません……ゴホッ……」
その時、レーダーに新たな反応が表示される。
ヘリで接近しているイチイバル、及びアキレウスの鎧。
そしてバイクで現場へと接近している天羽々斬の反応だ。
「追いつかれたようですね……」
ff
「調、何をするつもりデスかッ!?」
「今なら……」
「任務のためにとはいえ……今、この二人を……デスか?」
「だって、今しか──」
『ドクターを連れて、急ぎ帰投しなさい』
「……ッ」
響と翔にトドメを刺そうとしていた調は、ナスターシャ教授からの言葉で踏み止まる。
『そちらに向かう高速の反応が三つ。おそらくは二課の装者達よ』
『あなた達も、LiNKERの過剰投与による負荷を抱えているのです。指示に従いなさい』
「……わかったデス」
上空に姿を現したエアキャリアが、切歌と調へとワイヤーを垂らす。
二人はそれに捕まると、ウェル博士を抱えて戦線を離脱する。
三人を回収したエアキャリアは、ハッチを閉めると同時に再びその姿を消した。
「身体……思ったほど何ともない……。絶唱を口にしたのにデスか?」
「まさか……あいつに守られたの……? なんで……わたし達を守るの……?」
ff
「響……翔くん……ッ!」
闘いの余波で倒壊した道路の奥に、蹲る二人の姿を見つけた未来。
「はぁ……はぁ……はぁ……ッ!」
「ぜぇ……ぜぇ……ぜぇ…
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ