第23節「君でいられなくなるキミに」
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「情報部、追跡班との通信途絶ッ!」
「ノイズの出現パターンも検知していますッ! おそらくは──」
続きを言わずとも、現場にいるであろう人物は十中八九、ウェル博士であろうことは見えている。
「くッ……翼とクリスくん、純くんを現場にまわせッ! 何としてでも、ソロモンの杖の保有者を確保するんだッ!」
弦十郎が指示を飛ばした、その時。
藤尭のモニターに、レーダーが検知した新たな反応が表示される。
「ノイズとは異なる高質量のエネルギーを二つ検知ッ!」
「波形の照合、急ぎますッ! ……まさか、これって……」
友里が青ざめながら、その結果をモニターに出す。
赤文字で表示されたその名前は……。
【GUNGUNIR】
「ガン……グニール、だと……」
「じゃあ、もう一つのは……」
【IKUYUMIYA】
弦十郎、そして了子は絶句した。
「噂をすれば影……最悪の展開ね」
「くッ……二人とも、早まってくれるなよッ!」
ff
(力が……漲る……)
(身体が……熱い……ッ!)
二人の胸の傷は、ギアインナーの下からでも見えるほど輝きを放つ。
同時に、二人の身体は激しく火照り始めていた。間違いなく、胸の聖遺物からのエネルギーだろう。
風に吹かれて落ちてきた木の葉が、二人に触れるか触れないかの位置で、一瞬にして炭も残さず燃え尽きる。
「な、なんだと……ッ!」
ウェル博士は、目の前に立つ二人の異常に気付き、驚く。
一方、それは友人達も同じであった。
「この熱気……」
「あの二人からかッ!?」
「どうなっちゃってんの!?」
「とにかく、離れよう!」
「響……翔くん……」
響と翔の鞄を抱える未来の手を引いて、恭一郎が提案する。
三人娘とUFZは、未来と共にその場を離れていった。
「いつもいつもッ! 都合のいいところで、こっちの都合をひっちゃかめっちゃかにしてくれる、お前達はあああーーーッ!」
ウェル博士は何体も、何体もノイズを召喚し、二人へと差し向ける。
さながら、台所にいきなり現れた黒光りするアイツへと、悲鳴を上げながら殺虫スプレーを撒く主婦のように。
「ヒーローになんて、なりたくない 想いをッ! 貫けッ! ……321、ゼロッ!」
「せいッ! やぁッ! はああッ!」
「いつもいつもおッ! いつもいつもいつもいつもいつもももーー……ッ! ももももおおおおおおんッ! うううああッ!」
だが、幾ら召喚しようがノイズはノイズ。
闇雲に召喚したところで、二人の敵ではない。
瞬く間に殲滅されていき、博士は更に悲鳴を上げる。
「信じたい(守りたい) 願え(強く) 行けぇぇぇぇぇッ!」
そして、響の胸の歌がサビに入る
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