第82話
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表情を浮かべたアンゼリカの更に対する頼みを聞いたトワは冷や汗をかいた。
「フッ、何せアガット君はラッセル博士もそうだがあのエリカ博士がティータ君の事を任せる程、”ラッセル家”の信頼が篤いのさ♪」
「ティータの協力の許可を取る際にそのエリカ達にも会ってエリカ達を説得するのに散々苦労した癖によくそんなことが言えるな………ラッセルの爺さんやダンはともかく、エリカは俺の事をティータの”弾除け”程度にしか思っていないだろうぜ。」
「た、”弾除け”って………えっと……エリカ博士って、ラッセル博士のご息女ですよね?………その……エリカ博士を含めてティータちゃんのご両親はティータちゃんが私達に協力する件に反対していたんですか?」
静かな笑みを浮かべて答えたオリヴァルト皇子の話に呆れた表情で指摘したアガットの言葉を聞いたその場にいる全員が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中アリサはジト目で呟いた後、不安そうな表情で訊ねた。
「……ああ。エリカ博士は一人娘のティータ君の事を溺愛していてな。そんな彼女が娘を今のエレボニアに向かわせて俺達と共に活動する事に夫であるダン殿と共に猛反対していて、説得するのに3日も費やす事になった。」
「しかも今の私達が非常に弱い立場かつ勢力である事にも気づいていて、足元も見られてね……ティータ君を借りる”対価”として、相当吹っ掛けられてそれを飲む羽目になったんだよ。」
アリサの疑問にミュラーは静かな口調で、オリヴァルト皇子は疲れた表情で答えた。
「”相当吹っ掛けられた”って……一体何を”対価”として支払う事になったんですか?」
「”ティータ君の今の年齢の数――――――14年分のラッセル家の研究費全額をアルノール家並びに帝国政府が負担する事”さ。しかもティータ君の協力する期間が1ヵ月を越えたら1日につき研究費の1年分増やすという”利子”付きで、万が一ティータ君の身に何かあれば私が自殺するように強要した上、例え自殺しなくても地の果てに追いかけてでも私を殺すと脅されたよ。」
「ええっ!?ラ、ラッセル家の研究費全額―――それも14年分をアルノール家と政府が負担するって、戦後のエレボニアの財政状態もそうですけど、下手したら復興にも影響するんじゃ………」
「しかも”利子”は1日延びるごとに1年分延長させるとかボリ過ぎだろ……」
「挙句の果てには殿下に殿下自身の命を断つ事を強要するとは一体何様のつもりなのだ、その女は……」
「あうう〜……ご、ごめんなさい……わたしも幾ら何でもそこまでするのは酷いからもっと穏便な内容にして欲しいって頼んだのですけど、お母さんもそれらに関しては絶対に譲ってくれなくて……」
マキアスの疑問に対して疲れた表情で答えたオリヴァルト皇子の説明を聞いたアリサは驚き、アッシュは呆れ、ユーシスは厳しい表情を浮
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