ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
3章 穏やかな日々
32話 ある女の子
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がついたリアとツカサ。いや、言い訳をすれば、こんな辺鄙なところに毎回のようにキリトを呼ぶのは非効率であるし、普段は依頼やら攻略やらであまり家として機能していなかったことも大きい。…別に隣にキリト達が引っ越してきたことは何の悪いことはない、一体何を言い訳しているんだ、とまだ困惑しているリアの頭の中にはぐるぐると可笑しな思考が回っていた。
しかし、今現在この状況で最も話題にすべき議題はほかにある。
家族同然のキリトと、一番仲の良い同性の友人であるアスナが引っ越してきたことはなんの問題もない。
一番問題なのは…
「新婚になってヤることヤってるのは分かる。けどさ、どうやったらこのアインクラッドで子供なんてできるの…?初めて聞いたんだけど」
「リア、俺達にはまだ聞いたことがないシステムかもしれないが、実際にはあるのかもしれないぞ。なにせ、こことリアルの“死”は直結してる。ならば、“生”すらも直結することも可能なのかもしれない」
「え、それ言ったらリアルでもアスナ、妊娠して子供生まれてるってこと?十月十日はどこ行った?」
「もしかしたら、ヤることヤったのは十月十日前かもしれないぞ」
「ああ、若気の至りで…ワンナイトラブ…うちの従弟が…まだあんなに小さかったキリトがこんなふうになっていくなんて…」
「あんなにアスナもおしとやかだったのにな…」
段々と怪しげな方向へ話が進んでいく2人。その虚ろな目は焦点が合っていなくて遥か彼方…恐らくキリトとアスナの幼少期を見ているのだろう。口から魂が抜けだしているのかと思うほどの阿保面だ。
一方キリトとアスナは、顔面偏差値チート級の2人の口からそんな下世話な言葉たちがポンポンと紡ぎだされているこの状況にぽかんとしていたが、その話の中心が自分たちだということに気がつき、
「「なんと破廉恥な」」
という2人のハモった言葉に我慢できなくなったため、顔を真っ赤にして
「「ちょぉ〜っと待ったぁぁ??」」
とようやく突っ込んだ。
あまりの勢いの良さに、リアとツカサは一瞬でこちらに意識が帰ってくる。ぱちくり、と瞬きをする前に、
「リア姉とツカサが思っているようなことじゃない!」
「そうだよ!大体2人してなに変なこと考えてるの!」
肩を怒らせ、息切れしそうなほどの凄みに、こちらに生還してきたばかりのリアとツカサは目をぱちくりした。
そして、2人して顔を見合わせ、そしてゆっくりキリトとアスナのほうを向き、首を傾げる。
「「…ほんとに?」」
「「ほんとに??」」
こうしてキリトとアスナの体裁はなんとか免れることができたのであった。
―?―?―?―?―?―?―?―?―?―
さて
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