第3楽章〜迫る生命のカウントダウン〜
第21節「奇跡──それは残酷な軌跡」
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れきり、ソロモンの杖を支えに立つのがやっとな状態だった博士は、いつの間にかカ・ディンギルを一周し、元の場所まで来ている。
と、その時、足元を見ていなかったウェル博士は、斜面になっていた場所で脚を滑らせる。
「はッ!? わあああああああッ!?」
間抜けな悲鳴を上げながら、ウェル博士は斜面を転げ落ちた。
よろよろと立ち上がり、落としたソロモンの杖に手を伸ばしたその時……彼の視界に、思いもしなかったものが飛び込んできた。
「ああ……ッ! これは……ッ!」
それは、身体から引き抜かれてなお、不気味に赤く点滅していた。
ウェル博士は立ち上がるとそれを拾い上げ、その顔に狂気の笑みを取り戻す。
「ひひ、きひひひ……こんなところにあったのかぁ……ッ! ネフィリムの、心臓……ッ! ひひ、これさえあれば、英雄だぁ……ッ!」
ネフィリムの心臓を左手に抱えると、空いた右手でソロモンの杖を握り直し、ウェル博士は再び何処かへと立ち去っていく。
暴食の巨人はまだ、滅びてなどいなかった……。
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