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夢幻水滸伝
第百三十四話 琉球沖の戦いその十一
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 有島は剣撃を次々に繰り出す、金はそれを受けつつだった。彼もまた攻撃を繰り出す。勝負は今は五分と五分だった。
 そしてその中でだ、激しく闘い続けた。中国の星の者達は今は一人も軍勢の采配に向かうことが出来ないでいた。
 その状況は次第に結果となって出てきていた、志賀はその戦局を見て亜紀に話した。
「今回も」
「どうにかですね」
「戦局がこっちに傾いてきたから」
 だからだというのだ。
「そやから」
「それで、ですね」
「このままやっていこう」
「それでは。ただわたくし達は」
 ここで亜紀はこんなことを言った。
「どうしても」
「基本政担当で」
「というか政ばっかりしてて」
「こっちの世界やと」
「わたくしは教育担当で」
 官僚という職業から教育の行政を担当しているのだ、起きた世界で言うと文部科学大臣となるのが彼女だ。
「それで志賀君も」
「農民として」
「農業担当で」 
 こちらの政をというのだ。
「それで」
「戦については」
「一応これで戦えるけど」
 志賀は今自分が持っているフォーク、彼の神具を見つつ話した。
「そやけど」
「戦については」
「一騎打ちも専門やないし」
「采配についても」
「そんなに自信ないから」
「そんなにいけてるか」
「不安やな」
 志賀は自分から話した。
「ここは」
「そやね」
「どうしても」
「それを言いますと」
 ここで喜久子が来た、軍では憲兵を預かっているが今は彼女も戦の采配に携わっていて戦場にいるのだ。
「私もです」
「そうですよね、海音寺さんも」
「お奉行さんで」
「政が担当で」
「戦については」
「自信がないです」
 こう二人に話した。
「この世界で戦に加わったこともです」
「はじめてですね」
「南洋との戦の時で」
「それまでは一騎打ちもですね」
「したことなかったですね」
「冒険に出たこともなかったです」
 この世界ではというのだ。
「都で塾を開いている時に仕官を受けたので」
「そうですね、では」
「本当に戦については専門外でしたね」
「それでも今は人手が足りないので」
「戦場におられますね」
「満足に出来ているか」
 采配、そして術による攻撃がというのだ。
「不安です、ですが」
「戦場に出ているからには」
「全身全霊で、ですね」
「ことにあたります、そして」
 そのうえでというのだ。
「この戦も勝ちましょう、戦局はお二人が言われる通りに」
 まさにというのだ。
「戦局は傾いてきています」
「日本に」
「そうなってきていますね」
「はい、それはわかります」
 基本戦に出ない自分でもとだ、喜久子は二人の頭のところをフェアリーの羽根で飛びつつ答えた。フェアリ―独特の小ささがここでも出て
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