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夢幻水滸伝
第百三十四話 琉球沖の戦いその十
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「さっきも言ったがな」
「本陣を叩けば」
「それで、ですね」
「雑軍になり」
「後は攻めやすくなりますね」
「だからだ、今から本陣を目指すぞ」
 こう言ってだった、英雄は自らだった。
 その本陣に向かいそしてだった。
 軍勢もそれに続いた、日本軍の騎兵隊は無人の野を進みが如く敵の大軍の中を駆け抜けていった。星の者それも騎兵の指揮が得意でかつ武芸に秀でた星の者が率いた騎馬隊は何にも替え難い強さと素早さそして衝撃力があった。
 滝沢は本陣に迫ると正面に向けて爆炎を放った、その爆炎がだった。
 敵の本陣をそこにいる将帥達そして兵達を吹き飛ばした、すると大軍は瞬く間に指揮系統が混乱した。
 滝沢はそれを見るとすぐに彼が指揮する兵達に言った。
「後はだ」
「この敵軍をですね」
「散々に打ち破る」
「そうしていきますね」
「そうして戦う、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「この軍も倒してな」
「次の敵に向かう」
「そうしますね」
「引き続き」
「敵の数は多いからな」
 だからだというのだ。
「必然的にそうなる、しかしな」
「その数にですね」
「我々は怯まず」
「そうしてですね」
「戦っていきますね」
「勝つその時まで」
「そうだ、そうしていく」
 こう言って実際にだった。
 滝沢は指揮系統が混乱した二十四万の大軍をさらに攻めた、そうしてその大軍を散々に打ち破り綾乃が命じた次の場所に向かった。
 戦局は日本軍にとってかなり有利だった、それを見てだった。
 金は陳と共に有島、田中と一騎打ちをしつつ軍勢の状況を見て歯噛みした。
「せめておらだけでも行ければ」
「ええのにな」
 陳もこう言った。
「ここは」
「ほんまにな」
「そうさせないのがこっちの戦略で」
「そこは諦めてもらうわ」
 有島と田中が二人に返した。
「そしてさらに」
「一騎打ちにも負けてもらうで」
「生憎そのつもりはないわ」
 金は馬超の槍を両手に持って構えつつ有島に返した。
「こっちもな」
「だからと」
「自分達に勝って」
 そしてとだ、有島にさらに話した。
「軍勢の采配に入る」
「そうして勝つ」
「軍勢同士の戦にもな、星のモンは一人でもおれば」
 それでというのだ。
「軍勢はちゃう、そやからな」
「あっしを倒すと」
「そうさせてもらうで」
「生憎それはいかないんでさあ」
 有島が遅来矢を構えつつ金に返した。
「それはわかってもらいたくても」
「わかるつもりはないのがわかるな」
「確かに。あっちは金は嫌いじゃないが」
「おらもや、有島は嫌いやないわ」
「それでも今は敵味方」
「それならや」
「戦うしかない」
 結論は有島が言った。
「それなら」
「戦うで」
「雌雄を決す
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