暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン ーBind Heartー
クラヤミノリズム
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実力は高いようだ。一対一が基本のデュエルとはいえ、あの戦闘では完璧な動き、技の選択を見せてくれたのだから認めざるを得ないだろう。
だが、まだ『やつ』の力があれだけで終わるはずがない。こんなもので済んでもらっては、ゲームクリアなどできはしないのだから。
俺は知っているぞ。お前が持つ、本当の強さを。
渇望するようにその背中を見つめ、笑いそうになる口元を抑える。
そして、あの男。
一緒にいたあいつは、上手く立ち回ってくれているようだ。いいぞ、そのままなにも知らず俺の手の上で踊り続けるがいい。
ーーそうさ。どうせ、こんなにも穢い世界なのだ。なら何をしたって構わないだろう?
無言でごちたその言葉に返される答えはないが、それでも俺はまんぞくだった。
すべての準備が整ったとき、それが俺の目的が達成されるときだ。
柄にもなく、祈りなどをやってみる。
自覚できるほどドス黒く、歪み切った祈りの言葉を誰にともなく傾けた。
そう。茅場晶彦を、この手で殺すーーそのときまで、どうか俺の思い通りに事が運びますように。
『やつ』らの背中を追いながら、俺は人しれず鼻歌などを口ずさんでいた。
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