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ソードアート・オンライン ーBind Heartー
クラヤミノリズム
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振りしたクラディールの背後には、すでに剣技発動のためのモーションに入ったトーヤが。
間違いない。トーヤは完全に、あの男の剣技を見切っていた。
そして、相手の剣技発動後に起きる硬直時間の隙を突いて背後からの攻撃を最初から狙っていたのだ。先ほどの回避とは逆の、反時計回りのための構えに呼応して右手の鎌剣が黄色のライトエフェクトを纏う。
片手用曲刀 単発技 ≪サークルエッジ≫
回転の力を使い、瞬時に横薙ぎの斬撃を打ち込む曲刀カテゴリの剣技。
その剣が閃き、クラディールに向かって行く。
これは、決まったなーー。
直後、勝者の頭上に【YOU WIN!!】というウィナー表示とともに、勝者に捧げられる電子的なファンファーレが鳴り響いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「……ゴメンナサイ」
「いや、もういいから……頭あげて? ね?」
現在の状況を、簡単に説明しておこう。
場所は先ほどと同じく主街区にある転移門広場、そこで俺とアスナに向かってトーヤが土下座しています。
転移門をくぐるプレイヤーはまだ多く、さっきから注がれてくる奇異の視線がチクチクと痛い。一部の野次馬に至っては、ヒソヒソとなにやら囁きあっていた。
何故こんな事態になっているかというと、負けたからだ。トーヤが、クラディールに。
あのデュエル、実力ならばトーヤの勝利は目に見えていた。だが、トーヤの完璧なカウンターによる一撃が決まると誰もが思ったその瞬間、悲劇は起こったのだーー。
背中を丸め体勢を低くしたことによって地面に引きずられるようになった、クラディールの纏う血盟騎士団のユニフォームである、あの無駄に長いマント。その端っこを、最後の踏み込んだ足が踏んづけてしまったのだ。
そのままトーヤは思わぬ下敷きの介入を受け、回転軸をおおきく狂わせた。
結果、わかりやすいほどに滑ったトーヤはクラディールのすぐ隣に仰向けに倒れこんだのだ。
その光景に場の空気が数瞬止まったが、いちはやく我に帰ったクラディールが、トーヤの無防備な背中に剣を打ち込んだ。
「あいてっ」と間抜けな声とともにトーヤのHPバーはいくらか削れ、そのデュエルはクラディールの勝利という形に終わったのだった。
「だって……あんな大見え切っといて、アホ丸出しの負け方でしたし……何より、結局キリトさんに迷惑をかけて……」
空になった回復ポーションの小瓶を脇に、地に額がくっつきそうなくらい深々と頭を下げてくるトーヤの姿に、俺はいい加減ため息をついた。
そう。誰もが口を半開きにぽかんと見守る中、どういう訳か調子付いたクラディールに俺はデュエルを申し込まれたのだ。まあ、システム外スキルの≪武器破壊≫であの両手剣を真
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