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ソードアート・オンライン ーBind Heartー
クラヤミノリズム
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のか? ギルドで問題にならないか……?」
小声で聞いた俺に、意外にもきっぱりした口調で答える。
「大丈夫。団長にはわたしから報告する」
その言葉に俺は頷き返すと、Yesボタンに触れるべく右手を伸ばしーー
「ちょっと待ってください」
ーーいかにもデジャヴを感じるやり方で、その手を止められた。
「……なんだよ」
なかば予想がついてはいたが、敢えてそな疑問を口にした。
俺を止めたプレイヤー、トーヤはぐるんと肩を回して大仰に胸を張る。
「わざわざキリトさんが勝負する必要なんてありません。ここは俺で充分です!」
先ほどのクラディールのそれよりも速くウインドウの操作を済ませたトーヤは、回れ右をしてデュエル申請の相手を正面から見据えた。
クラディールの三白眼が悪意のある半月型につり上がり、音がするほど歯ぎしりする。
「ク、クソ生意気なガキめ……いいだろう。貴様から潰してやる……」
クラディールが右手を動かすと、俺の眼前に展開されていたウインドウが消える。視線をトーヤの方に移すと、トーヤの目線をはすでに眼前よりやや下の方向に留まっていた。
その右手の人差し指が、今まさに不可視のボタンを押そうとしているのを、今度はアスナが止めた。
「ちょ、ちょっと待って! 本気でやるつもりなの!?」
あっさりと了承した俺の時と違い、打って変わって慌てたそぶりのアスナにトーヤはけろっとした表情で頷いて応える。
「はい。尊敬する人をここまで言われて、黙ってるわけにはいきません!」
小っ恥ずかしい台詞をはっきりと言い放って、構わずに止められていたウインドウ操作の手を進めた。
手の動きから操作の手順を見るに、≪初撃決着モード≫を選択したようだ。
周囲に全員可視の六十秒カウントダウン表示がトーヤとクラディールの頭上で開始される。この数字がゼロになった瞬間、彼らの間では街区でのHP保護が消滅し、勝敗が決するまで剣を打ち合うことになる。
困り切ったようなアスナのため息を、クラディールはどう解釈したものか、
「ご安心くださいアスナ様! このような小僧一人、すぐにカタを付けてやりましょうぞ!」
「心配してるのはアンタじゃないってば……」
狂喜を押し殺したような表情で叫び、芝居がかった仕草で腰から大振りの両手剣を引き抜くクラディール。それからアスナはもう無理と言いたげに顔を背けた。
「……大変だな」
「のんきなこと言ってる場合じゃないでしょ!? 何かあったらどうすればいいか……」
じゃあなんで俺の時はあんな簡単にOKしたのかと言いたいが、その言葉を飲み込んでアスナの肩をぽんぽんと叩く。一応ねぎらいのつもりだったのだが、その細い肩はさらにがっくり下がった。
「君が原因でも
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