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戦国異伝供書
第八十八話 初陣その一

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               第八十八話  初陣
 元就は毛利家の主となった幸松丸の後見人となった、そのうえで毛利家の政を担うことになった。そうしてだった。
 まずは毛利家の内政を整えそのうえで家臣達をまとめていく様にした、しかしここで彼はこうしたことを言った。
「家の中をまとめていくことだ」
「さらにですね」
「外もですね」
「どうかですね」
「まずは吉川家と誼を通じておる」
 この家と、というのだ。
「だがな」
「他の安芸の家もですな」
「どうするか」
「それは、ですな」
「これからのことですな」
「内だけでなく外もな」
 そちらのだ。
「どうするかがだ」
「政であり」
「当家もですな」
「外もですな」
「どうするかですな」
「左様、吉川家に小早川家にな」
 元就は安芸の国人達の名を挙げていった。
「守護の武田家もですな」
「他にも何かと家があります」
「当家は確かに力がありますが」
「それでもですな」
「大きな力はない」
 それはというのだ。
「大内家や尼子家と比べてな」
「どうしてもですな」
「それでもですな」
「小さいですな」
「どうしても」
「それではな」
 まさにというのだ。
「まだまだだ、だからな」
「内の政治を整える」
「田畑も街も道も堤もよくし」
「城を堅固にし」
「家中をまとめて」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「外じゃ」
「安芸の他の国人達をどうするか」
「それが、ですな」
「大事ですな」
「うむ、国人達を取り込んでいくか」
 安芸の彼等をというのだ。
「そして安芸から備後にもな」
「他の国にもですな」
「手を及ぼし」
「手に入れていきますか」
「そうする、しかし安芸はな」 
 この国はというのだ。
「何といってもな」
「我等がいる国ですし」
「完全に手中に収める」
「そうしていきますか」
「その為には多くの兵が必要であるが」
 元就は家臣達に落ち着いた言葉で述べた。
「戦を多く経なければならんが」
「それでもですか」
「うむ、戦よりも謀じゃ」
 こちらだというのだ。
「戦ばかりしていては力を使い家を疲弊させる」
「だからですな」
「謀を多く使い」
「そしてですか」
「これからは」
「他の家を攻めていきますか」
「戦は家も民も疲弊させる」
 元就は今度は民のことも話した。
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