董卓軍との一日
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て猪になるタイプだろうからな。
「き、貴様! この私を侮辱してただで済むと思うな!」
「鉄塊」
鉄と鉄が、ぶつかったような音が響いたが、華雄の一撃を鉄塊で止める。
「何!? 私は本気で振り下ろした筈。何故貴様は傷一つなく立っている!?」
華雄の目に見えたのは、明らかな動揺。自分の本気の一撃を、特にガードもせず受け止め更に無傷であることに対する動揺だろう。
目には見えないが、実際は体の防御力を氣で鉄の硬度にまで高めて、防いでいるのだがな。
「どうした。さっきまでの威勢は何処に行ったんだ?」
その動揺を見逃さず、戦斧を両手で掴み華雄も霞と同じように持ち上げる。
「く、私はそんなに簡単に目など回さん!」
俺を睨みながら、華雄はそう告げる。だが、生憎今回は竹トンボではない。
「秘技・人間ハンマー投げ」
戦斧を持ったまま、体を回し始める。
「く、決して目など回すものか!」
華雄は何とか耐えているようだが、甘い甘過ぎる! 次に何をされるのか考えねば勝てんぞ。
「さて、まぁ死にはしないだろうが!」
そのまま力の限り、戦斧ごと華雄を見事に真っ直ぐぶん投げてやった。
「な、なにぃぃぃ!」
大声をあげながら、そのまま華雄は真っ直ぐ飛んで行き星になった。……これは完全に、本気で投げてしまったな
「いけない。力一杯投げてしまった」
華雄を、投げ飛ばした方向を見ながらそう呟く。どうも師匠曰く、どうでもいい時に本気になってしまうな。
「何と言うか、アンタ出鱈目ね。それに本気でやってないみたいだし」
賈駆は、呆然と俺を見ながらそう呟く。やっぱり本気でやってないとバレるか。てかどう考えても、まともに戦ってるようには見えないか。
「さて、まぁこんな感じだが合格かな?」
「合格よ。……こんな光景見せられて、不合格何て言えないわよ」
ハァと溜め息を吐きながら、賈駆は俺にそう告げる。何故溜め息を吐くのか分からないが、とりあえず武官にはなれそうだ。
「…………剛鬼、見つけた」
恋の声が、後ろから聞こえたかと思った数秒後、背中に柔らかい感触と重みを感じた。うむ、こんなこと言っては何だが中々にいい感触だ。
「やぁ恋。俺に何か用か?」
背中に抱きついている恋を降ろし、後ろを向いて恋に尋ねる。
「…………特に用はない。剛鬼の傍に居たかったから」
俺の傍ねぇ。
実際言われてみると、中々嬉しいものだな。
などと思いながら、恋の頭を優しく撫でてみると、恋は気持ちよさそうに目を細めた。
「アンタ、本当に恋と仲がいいのね。正直、こんなになついてる恋は初めて見たわ」
顎に左手を置きながら、賈駆は俺と恋を見ながらそう呟く。ふ
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