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謎の少女
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キとアスナはその話で盛り上がっていた。俺もユイの頭を撫でようとする。しかし、それは叶わなかった。ユイの頭を撫でようとした瞬間、ユイが怯えたような顔になったのだ。それを見て、手を伸ばすのを止める。そして、腕を下げるとユイの顔は怯えた表情ではなくなった。しかし、目だけはまだ怯えていた。どうやら俺を少し怖がっている様子だ。

「どうした、ユイ?あっ、もしかして、ゲツガが怖いのか?大丈夫だ、こいつは怖い奴じゃない」

 キリトはユイにそう言ってユイの手をが持って俺の方に伸ばさせる。

「ホラ、ユイ。ゲツガと握手だ」

 キリトはそういうが、ユイは嫌がっている。なので断った。

「いや、挨拶したからいい。それより、こんなトコじゃなくて奥の部屋で話そうか」

 そう言って、キリトたちを奥の部屋に案内する。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「なるほど。つまり、この子を森の中で拾って、何処から来たか聞いたが答えれなかったから、どんな小さい情報でもいいから集めてこの子を親元に帰したい、と言うわけだな」

 話を聞いてだ大体のことをまとめる。

「でも、新聞にも載ってないって言うことは最悪の場合……ごめん、さっきのは忘れて……」

「いや、いるよ。多分、俺らの層に家族で遊びに来ていたときにこの子が迷子になった。家族はたぶん今、自力で探してると思う。みんなに迷惑をかけたくないってさ」

「私もそうだと思う」

 アスナとキリトはそう言って、ユイを見る。その本人は湯飲みに入った少し苦めのお茶を難しい顔で飲んでいた。

「そうだな。この子のためにも探さないとな」

 そう言って、自分の前に置かれている湯飲みの中のお茶を一気に飲み干す。

「それじゃあ、ユイのためにも親を探してやるか」

「うん」

 その時、アスナの顔が少し曇るのが見えた。どうやらユイがアスナにとって大きな存在になっているようだ。

「アスナ、大丈夫だ。親元に戻ってもまた会いに行けばいい」

 俺がアスナに言うと、アスナは大きく目を見開く。心を見透かされたことに驚いているようだ。しかし、その後、微笑んでから礼を言った。

「それじゃあ、何処から探す?上の層?下の層?それとも二手に分かれて中間層から半分ずつに別れるか?」

「いや、一緒に下の層から探していこう。分かれて探すにしても、ユイがその人を見なきゃわからないし、はじまりの街ならゲツガの知っている教会があるだろ?あそこに行けば、子供についての情報が何か入ってるかもしれない」

「サーシャさんのトコか?それもそうだな。もしかしたら、そこにユイの親が行った可能性もあるしな」

 俺らは、ユイの親を探すためにはじまりの街に向かった。


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