疾走編
第二十六話 ヴァンフリート星域の遭遇戦
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、年相応とでもいうか、大尉としてはまだまだな所がある。決してバルクマンをけなしているのではない。どれだけ優秀でも経験の有無は隠せないものじゃ。年相応と言ったのはそういう事じゃ。だが貴官にはそれがない…あまり褒めすぎても調子に乗ってしまうからの、これくらいにしておこう」
「ありがとうございます…話は変わりますが、このまま戦闘配置に以降しますと哨戒第一配備から連続で配置に就く者が出てまいります。一旦哨戒第二配備に落として、交代で休息を取らせた方がよろしいかと思われます」
「会敵予想は?」
「現在の針路、速度ですとおよそ十時間後です」
「了解した。第二哨戒配備とせよ。交代で休息を許可、タンクベッド睡眠も可とする。儂も先に休ませて貰おうかの。頼んだぞ、大尉」
「了解しました。…艦長、お聞きの通りです。通達をお願いいたします」
「了解した…ビュコック提督があんな冗談を言うとはな。初めて聞いたよ」
「ですよね。驚きました」
「久しぶりの戦いだからな、気分が高揚しておられるのかも知れんな…攻めてくる帝国艦隊、やはり、あれか?商品の受け取りか?」
「だと思われます」
「いくら帝国軍とはいえ、麻薬密売なんてやるか?奴等だって麻薬は重罪だろうに」
「帝国軍は帝国軍でも貴族なのかもしれません。私兵の維持には金がかかるでしょうし」
「見栄張ってナンボの世界か。貴族ってやつも大変だな」
3月16日05:00 ヴァンフリート星系、ヴァンフリートW-U、自由惑星同盟軍基地建設予定地
タッド・シェルビー
しかし…やりたい放題だな。基地建設の資材搬入に紛れて原材料も搬入、サイオキシン麻薬を作るプラントも、部品ごとでは判別がつかない。そして関係者以外は誰もいない。正にうってつけの場所だ。
ウィンチェスターの言う通り、そこら辺の下っ端が簡単にやれる事ではない。後方勤務本部のかなり上部の人間が絡んでいることは間違いない。統合作戦本部や宇宙艦隊司令部にも協力者が居るのだろう。
直接戦闘に関わるものではないのに、ここに近寄るなと艦隊司令官に口頭で下令されているということからもそれは分かる。艦隊司令官に直接命令出来るのは宇宙艦隊司令部だ。後方作戦本部からの要請であれば、極秘だから、と口頭命令もだすだろう。大元にたどり着く何らかの証拠があればいいが…
「大佐、基地に居た者を拘束しました」
「ご苦労。全員で何名居た?」
「はっ、10名であります。武器は所持しておりませんでした。尚、その内二人は女性で民間人の様です」
「民間人だと?」
「女性達は、私達はただの娼婦だ、と言っております。他の者も同盟軍の制服を着用してはおりますが、階級章も無くID等も所持しておりませんので、現状では所属ははっきりしません」
「了解した。負傷した者はいないな?」
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