第3話 新たなる絆(後編)
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れる前にな。』
・・ぃ・・・クォ・に・・・・・・
・・・・クォヴ・ぃ・・・・
「クォヴにぃ!!」
はやての突然の大声に、思考の海に沈んでいた意識が現実に戻される。
「どうした?はやて。」
「どうしたって、病院に着いたで!」
はやてはいかにも怒ってますといった表情で、こちらを見上げていた。
「クォヴにぃ、私が声掛けても全然反応しないんやもん!」
「すまない・・はやて。許してくれ。」
俺が頭を下げると、はやては驚いた顔をして急に慌て始めた。
「な、なんや恥ずかしいやん!そこまでする必要なんかあらへん!私が勝手にヤキモチや・・・あ!」
はやてが勢いのまま失言してしまった後、顔を耳まで真っ赤にさせて俯いたまま喋らなくなった。
「はやて、先程言っていた人物に一緒に会ってくれるか?」
「・・・ええのん?」
「ああ、その方がはやての為にも良いと判断した。」
「・・私の為?」
「そう、はやての為にだ。」
「そうなんや・・ごめんな、我が儘言って。」
再び真っ赤になった後、シュンと沈んだ表情になったはやてに苦笑し、俺はその頭をゆっくりと撫ぜた。
「気にするな。我が儘を言えるのは、家族間だけの特権らしいからな。」
「・・うん!」
はやての元気な返事を聞きながら、俺ははやてと共に病棟内に入っていった。
(なのはサイド)
現在時刻11時50分――――
私は昨日の人と会う12時が近づくにつれて、だんだん落ち着かなくなってきた。
ザワザワザワ・・
ん?どうしたんだろ、教室が騒がしくなってきてる。
時々「カッコイイー」とか「外人さん」といった単語が聞こえてきた。
クラスメートが皆外を見ていたので、私も釣られて外を見る。
「あっ!」
車椅子を押すクォヴレーさんの姿が見えたので、私は思わず声を上げてしまった。
当然クラスメート全員の視線が私に集中する。
キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン・・・
私はチャイムが鳴った事をいいことに、視線の渦から脱出する事にした。
ダッシ・・
「私達にも説明してもらえるんでしょうね〜、な・の・は?」
教室を脱出しようとした瞬間、背中から聞き覚えのある声を掛けられ、私は凍り付いた。
ゆっくり振り返ると、鬼の形相をしたアリサちゃんと心配顔のすずかちゃんが立っていた。
や・殺られる!?ガクガクブルブル
「この前、言ったばかりよね?私達に隠し事は無しだって。・・で?今度は説明してもらえるんでしょうね?」
「にゃ〜〜〜〜〜!ごめんなさ〜い!いつか必ず説明するから〜〜!」
私は一目散にその包囲網から逃げ出した。
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