075話 記憶巡り編 とある視点で見る記憶 その2
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んの行いも利用されることも多々あって悪意ある利用目的で頼みごとをされることが多くあって、それでも悪い顔一つしないで引き受けている士郎さんのそんな姿を見て、
「ふむ……士郎殿はこう言ってはなんだがなんでも引き受けてしまうのは悪い癖でござるな」
『はは……耳が痛いな』
長瀬さんのそんな言葉で参っている士郎さんの声が聞こえてきた。
そしてそれが悪乗りでもしたのか成り行きで文化祭の看板作りを周りから押し付けられてしまい、一人で放課後に作っている時に一人の男子が士郎さんに近づいてきた。
『おまえ、馬鹿だろ』
そんな一言とともに現れた人物は名前を『間桐慎二』というらしい。
何度も士郎さんに悪態をつき手伝いは一切しなかったが、一晩中士郎さんのもとで付き添って、そして看板が完成したらしたらで、
『お前馬鹿だけどいい仕事するじゃん』
そんなこんなで奇妙な付き合いが始まっていつの間にか士郎さんと慎二さんは親友と呼べる仲になっていった。
それからというもの、士郎さんを利用しようとする輩に対してはちょっと度はきついが予防線を張って無茶なことは士郎さんには通さない様にしていたようであった。
「わー……やっぱり友達っていいものですねー」
「そうですね、のどか」
のどかと夕映がそう言って二人の仲を良く思っていたんだけど、どうにもそれを見ているこのかと刹那さん……そしてそれよりもひどい顔になっているのがイリヤさん。
三人はどうにも暗い表情になっていた。
おや……?
もしかして……これはゲームや創作物的展開ではのちに慎二さんは士郎さんのライバル的存在になって、もしかして……。
わたしはそこまで想像して「いやいや、まさか……」と今の士郎さんと慎二さんの関係を見ている感じではそんな雰囲気はしないと思ったんだけど、やっぱり……そういう事なのかなー?
今は多分聞いても答えてくれないだろうなー。
ネタバレされるのもわたしとしては嫌いだけど、こういう空気のままっていうのもなんかモヤモヤする。
なので、わたしはそっとイリヤさんに近寄って一言。
(イリヤさん。もしかして士郎さんが魔術の世界に踏み込むきっかけの事件で慎二さんは……)
(ハルナは勘がいいのね……うん。まぁそういう事。その時になったら私も白状するわ)
(そっすか……)
嫌な予感は当たってしまうものだね。
しかも多分だけど士郎さんが慎二さんを殺すだなんてしないだろうし、消去法で……。
そうなると、なんていうか士郎さんは辛い人生を歩んでいるなーと思う他なかった。
それから時間は進んでいって一気に高校生にまで上がっていって、そこで士郎さんのもう一人の親友ともいうべき存在で生徒会に所属する事になった『柳洞一成』さん。
そして士郎さん
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