暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第32話:三つ巴の争奪戦・その4
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 記憶の遺跡を襲撃して本当のデュランダルのケースを奪ったのはあのメイジだ。その考えに颯人が至るのと、メイジがクリスの近くで滞空しケースを見せる様に掲げたのはほぼ同時であった。

 その仕草だけで、メイジに変身しているのが誰なのかをクリスは気付いた。

「透か!」

 クリスの問い掛けにメイジ――透は頷いてみせる。

 彼の登場と思わぬ土産の持参に、クリスは喜色を浮かべて鎧の機能で浮遊し彼の隣に向かう。

「ったく、まだ怪我治ってないのに無茶すんなよ!」

 本来は怪我の療養の必要があったので透は不参加の予定であった。

 故に、無理をしてやって来ただろう透に対してクリスは少し乱暴な物言いをした。
 しかし心のどこかでは彼が来てくれたことを喜んでいるのか、表情には隠しきれていない嬉しさが見て取れる。

「でもま…………ありがとな」
「…………」
「へっ! よし、ずらかるぞ!」

 何にしても目的の物はクリス達の手に渡った。もうこの場に用はない。

 さっさとこの場から離れるべく飛び去ろうとする2人だったが、そうは問屋が卸さない。

「逃がすな、ヒュドラ!」
「応よッ!!」
〈イエス! ファイアー! アンダスタンドゥ?〉

 再びヒュドラから放たれた灼熱の業火が、透を撃ち落とさんとする。

 自分達に向けて放たれる業火を見て、透は回避すべくケースを手放しクリスの手を引いて急降下した。

「うわっ!?」
「…………ッ!?」

 寸でのところで直撃は免れた2人だったが、回避の為とは言え手を放したことでケースは無防備となってしまった。

 その隙を見逃す颯人ではない。

「もらった!!」
〈エクステンド、プリーズ〉

 マジックハンドの様に手を伸ばして落下するケースを掴み引き寄せる颯人。

「させるか!」
「おっと!」

 メデューサがそれを奪い取ろうと飛び出すが、奏がそれを許さず彼女の前に立ち塞がる。

 ケースはそのまま颯人の方に引き寄せられ――――

「させっかよ!?」

 あと一歩と言うところでクリスが伸ばした鎖鞭がケースに巻き付き、2人の間で引っ張り合いとなる。

「ヒュドラ! ケースを奪え!!」
「分かってるっての!」
「ちぃ!? 透、頼む!」

 引っ張り合いとなって宙ぶらりんとなったケースを横から奪おうとし、ヒュドラがケースに向かうがその行く手を透が遮った。カリヴァイオリンを構え、ヒュドラを牽制する。

「へっ! 俺の邪魔するってか? この裏切りもんが!」

――裏切り者?――

 ヒュドラが口にした裏切り者と言う単語に一瞬気を取られた颯人だが、直ぐに意識を切り替え邪魔するものが誰も居ないフリーとなっている響に
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