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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第32話:三つ巴の争奪戦・その4
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勝ちたいと言う思いを諦めるつもりは毛頭なかったが、それが叶うのは何時になる事やらである。
「ウィザード……貴様、覚悟は出来ているだろうな?」
「それはこっちのセリフ。お前こそ、今度と言う今度こそボッコボコにしてやるからな?」
そんな事を奏が考えていると、いよいよもってメデューサが颯人に仕掛けるつもりらしい。颯人の方もそれを迎え撃つ気満々で構えている。
妙に颯人が好戦的なのが気にはなるが、メデューサを倒せば他のメイジは統率を失うことが明白なので奏もそれに助太刀すべく彼の隣に並び立つ。
響は了子と共に弦十郎の元へ向かい、彼らを守れるように身構えた。荷物が無くなって身軽になってしまえば、先程に比べればずっと立ち回り易い。
クリスは目的の物がここに無いと分かったからか、既に撤退を考えているらしくソロモンの杖を畳んで腰の後ろに仕舞って周囲を見渡している。
この戦いも漸く終わりに向かうかと弦十郎らが思ったその時、一気に三つの出来事が起こり流れに変化が生じた。
「よぉ、メデューサ。楽しそうにしてんな?」
「ヒュドラか? 今までどこで油を売っていた?」
「ちと雑魚が鬱陶しくてよ」
まず最初に起こったのは、新たな幹部の参戦であった。上空で弦十郎のヘリに乗り込んで撃墜させた、ヒュドラがこの場にやってきてしまったのだ。
厄介な奴が増えたことに颯人は仮面の奥で顔を顰めるが、すぐにそれどころではなくなった。
「ん、通信? どうした、藤尭?」
突然の本部からの通信。オープンチャンネルだったが故に颯人の耳にも入ったその通信の内容は、彼を驚愕させるに足るものであった。
『司令、大変です!? たった今、記憶の遺跡からの通信で、何者かの襲撃を受けて内容物の確認が済んでいないケースが強奪されたと……』
「はぁっ!?」
内容物の確認が済んでいないケース……それは彼が弦十郎に頼んで簡易ながら証明書を用意してもらった本当のデュランダルのケースに他ならない。
防諜の意味も込めて弦十郎以外には誰にも明かしていなかったそれの存在を、よりにもよって強奪されたとあっては彼も驚かずにはいられない。
だがこんなのはまだ序の口、彼らが本当に度肝を抜かれたのはこれからであった。
「ん? 颯人、あれ!?」
「お次は何だ!?」
何かに気付いた奏が指さす先を颯人が見ると、そこには明らかに鳥でも航空機でもない飛行物体の姿があった。
それがライドスクレイパーに乗ったメイジである事に颯人はすぐに気付き、次いでその手が大きなケースを持っている事に気付くのもそう時間の掛かる事ではなかった。
あのメイジが持っているケースの中身は何か? そんなの、考えるまでもない事であった。
「あいつかッ!
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