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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
疾走編
第二十五話 やっぱり大事件
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補給基地が建設される事を知っておられたのですか?」
「大佐、儂だけではない。各艦隊司令官は皆知っておる。儂は正規艦隊司令官ではないが、警備宙域にヴァンフリートも入っておる都合上、知らされておった。まさか麻薬が作られておるとは思わなんだ」
「…では艦隊司令官のお歴々も知らないのでしょうか?この現状を」
「知らんじゃろう。ヴァンフリートW-Uには近寄るな、と口頭で通達されているからな。儂が分艦隊を先に行かせたのもその為じゃ。何もせずに通り過ぎても別に不審ではないからの」
「となると極秘な事をいいことに不正を働く輩がいる事になります。提督、プラントを破壊して、一味を拘束しませんと」
「そうじゃ。じゃがまずは連絡じゃ。大佐、宇宙艦隊司令部にFTL(超光速通信)を。そして…」
「お待ちください」
「何だね、大尉?」
「宇宙艦隊司令部への連絡は控えた方がよろしいかと思われます。宇宙艦隊司令部に一味に通じる者がいた場合、そこから情報が一味に漏れる恐れがあります」
「貴様!軍上層部までもが不正をしていると言うのか!」
「不正をしていると言った訳ではありません。…知り合い、例えば同期や先輩後輩、友人、教え子、お世話になった方々が一味に居て、その人が不正を働いているかもしれない、または関わりがあるかもしれない、となったら、大佐はどうしますか?不正をしている事におぼろ気ながら感づいている場合もあるでしょう、その時、大佐ならどうしますか?何らかの遠回しな忠告をするのではありませんか?ヴァンフリートW-Uに基地が建設予定である事を知っているのはほんの一部なのですよ?上層部と一味が極めて近い所にある、と小官は考えます」
「不正を見逃す、というのか?上層部が?有り得ないだろう!」
「…見逃すとは言っておりません、情報が漏れるかもしれない、と申し上げております」

 完璧に怒らせちゃったなあ。大佐だって知人や友人が宇宙艦隊司令部にもいるだろうしなあ。そこから漏れる、って言ったようなもんだからなあ。不正はいけない事、なんて誰でも分かってるよ。でも極秘の場所で不正が行われている、となったら、そこで不正を行っている人間は、その場所が極秘である事を知っている奴だろう?となるとこの場合、麻薬密売をやっている人間は上層部に近い人間、ということになる。
「大佐、落ち着きたまえ。…どうすれば良いと思うかね、大尉」
「まずはプラントにいる者達を拘束すべきです。麻薬製造にも原材料は必要です。基地の建設資材に紛れ混ませているのでしょう。輸送計画を知る事が出来れば、大元にたどり着くかもしれません。若しくはプラントにいる者が生産の指示を出している人間の名を知っているかもしれません。まずは拘束が先です。本隊にも、拿捕したものと同じタイプの嚮導駆逐艦があったはずです。拿捕したものは機関
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