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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
疾走編
第二十五話 やっぱり大事件
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…おっと、俺はサイオキシン麻薬を肯定してる訳じゃないぞ?」
「そんな事は分かってるよ。…フェザーンを通すと確かに楽だろうが利益は減るし、バレる可能性がある。だからこっち側なのさ」
「ああ、賄賂やら口止め料でマージンがかかるからだろう?でも利益は少なくてもそっちの方が安全じゃないか?」
「安全を求めるなら国をまたいで密輸なんてやらんだろうさ。売り手も買い手も、お互い国内では足がつきやすい。俺は卸し元は同盟側で、買い付け業者が帝国側だと思っているよ」
「じゃあ、まさか製造工場がヴァンフリートにあるのか?」
「あるだろう、いや、あるね」
「でも、ヤマトさあ、提督呼び出した時言わなかったじゃないかそれ」
「あの時点でそれを言ったら、シェルビー大佐にもっと怒られるだろうが。嫌だよ、怒られるの」
「お前なあ…」
「多分、提督は工場の場所を知っているよ」
「何だって!?」

 ちょっと飲み物貰ってくるわ、と言って、ヤマトは食堂に向かった。提督が工場の場所を知っている?
そんな馬鹿な、だったら提督が密輸を見逃しているか、一味の関係者って事になるじゃないか。いくらお前でもそれはあり得ないぞ。



3月16日01:30 ヴァンフリート星系、ヴァンフリートW、EFSF旗艦リオ・グランデ
オットー・バルクマン

 「馬鹿な…ヴァンフリートW-Uにサイオキシン麻薬の生産プラントだと?」
「はい大佐。この場合捕虜…と呼称しますが、捕虜の申告によりますと、我々が接近して来たので生産プラントの稼働を停止、全電源をカット。我々がこの星系から去るのを待っていたようです。捕虜の乗っていた嚮導駆逐艦は我々の動向を観測するために潜んでいたようです」
「…稼働停止、電源カットか。そうすれば確かにセンサーには引っかからんな。近付いて目視しないと分からん、という訳か」
「はい大佐。それでですが…」
「…ウィンチェスター大尉、一端止めたまえ。ここからは儂の部屋で話そう。大佐も少佐も来たまえ。バルクマン、しばらく頼む」
「了解しました」
 皆、凹んだ顔して戻って来るんだろうな。楽しいね全く…。



3月16日02:30 ヴァンフリート星系、ヴァンフリートW、EFSF旗艦リオ・グランデ
ヤマト・ウィンチェスター

 大変な事になった。想像した通りサイオキシン麻薬だ。
この麻薬撲滅に関しては同盟帝国が唯一協力した過去があるくらいの強力な麻薬だ。同盟軍自体が絡んでいるかも、って言ったらシェルビー大佐がめっちゃ怒ったよ。まあ、怒るよな。ビュコック提督もいい顔はしていなかったし、イエイツ少佐は天を仰ぐし、オットーは真っ青な顔するし…。
味方の悪口は言いたくないけど、みんな想像力を働かせてくれよ…。

 「では提督はヴァンフリートW-Uに秘密の
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