自分の気持ちに従う
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荊州南陽に着いた時には完全に日が落ちていた。
美奈は父親である豪鬼のおんぶされていたからか、寝てしまったようだ。
今日は色々とあったから疲れたのだろう。
かく言う俺も少し眠い。
夜だというのに街は未だに活気に満ちている。
しかし、子供達の姿などはなく大人な雰囲気が出ていた。
俺達が歩いていると、自然と交通人が避けていく。
理由は簡単だ。
俺はチラリ、と後ろにいる豪鬼に視線を向けた。
視線に気がついた豪鬼は苦笑いを浮かべる。
「儂の見た目ではどうも目立つな。
いらぬ注目を集めてしまって申し訳ない。」
豪鬼はでかい。
並外れた身長は周りの視線を集めるだろう。
「気にするな。
俺は気にしていない。」
「私もですよ、豪鬼殿。」
俺と星は気にしている豪鬼にフォローの言葉を言う。
「済まぬ。」
軽く頭を下げる所を見ると、律儀だ。
豪鬼は見た目はいかついが、話してみれば普通の男だ。
忠義に溢れ、豊富な経験を持つ武将は中々いない。
集めていた視線も城に近づくにつれ、徐々になくなっていた。
城の門前に着いて、昔の事を思い出した。
師匠とここに来て、雪蓮と冥琳に出会ったあの日を。
太史慈は門番をしている人に話しかける。
すると、門番の人は俺達を中に入れてくれた。
太史慈が話を通してくれたらしい。
「玉座まで行きましょう。
そこで孫堅様に会える筈です。」
「そう言えば、どうして此処に来たんだっけ?」
本来の目的を忘れた一刀が呟く。
俺と星は大きくため息を吐く。
軽く頭を小突きながら説明をする。
「お前の天の御使いとしての噂を広めるためだろ。」
「あっ・・・そうだった。
結構広まっているから、忘れてた。」
「まぁ、お前の言っている事は分かる。
豪鬼の村にも噂程度でなら広まっていた。
しかし、孫堅さんほどの人が天の御使いの事を広めてくれたら、他の人達はもっと強く信じる。」
俺の説明を聞いて、思い出してきたのかほうほう、と言いながら頷く。
こいつにはそろそろ勉学を教えた方が良いな。
修行以外にも勉学のスケジュールを頭で構築していく。
中に入ると、玉座には孫堅、その隣には孫堅に似た女の子が二人立っていた。
その内の一人の傍には少し目つきの鋭い女の子が控えめに立っている。
彼女達は俺達が入ってくる音を聞いて、こちらに視線を向ける。
「あら、月火じゃない。」
「雪蓮、頼まれた仕事は片づけたよ。
村の人は近くの街に移住させたから。」
「すまないな、月火。
本来なら臣下でもない、お前に行かせるべき仕事ではないのだが。」
「気にしないでください。」
太史慈と孫堅達は話をしている。
そうして、彼女達はよう
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