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聖国のジルフリーデ 〜勇ましき姫と気高き女騎士と、男勝りな女戦士と妖艶な女盗賊は、媚薬の罠に乱れ喘ぎよがり狂うも、心だけは屈しない〜
視姦編 4人の女傑は、淫らな肢体を覗かれる
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も何らかの異変を感じ始めていた。

 ――覗きに執着する余り、気配を消すという斥候の基本すら忘れかけていたカルロスは。ついに己の存在を、彼女達に察知されてしまったのである。
 斥候の天才すら狂わせるほどの彼女達の色香が、為せる業であった。

 だが、4人が覗き穴を見付けた時には、すでに彼の姿はなく。動物の類だったのだろう、という結論に落ち着いていた――。

 ◇

 一方、町からやや離れた林の奥まで逃げおおせていたカルロスは、木に手を付いて汗だくの額を拭っている。ゴミを一瞥するかのようなジルフリーデの眼と合った瞬間、彼は疾風の如く撤収していたのだ。

「ぶはぁっ、はぁっ……! あ、危ねぇ危ねぇ、この俺としたことがとんだヘマを……!」

 女体に夢中になる余り、気配を消すことまで怠るなど、斥候としては愚の骨頂。それは、その道のプロであるカルロス自身も当然理解していることだったのだが……それでも彼は、惑わされてしまっていた。
 自分を睨む、あの侮蔑に満ちた冷酷な眼。それにすら性的興奮を覚えてしまうほどの美貌は、斥候のイロハまで見失わせるほどの力を持っていたのである。

「へへっ……だが、確かに視たぜ。この聖国を救うために戦っている、戦乙女達のあられもない姿をな……!」

 しかし、命からがら逃げ切った直後だというのに。すでに彼の脳内は、記憶に収めたジルフリーデ達の裸身に支配されていた。
 見つかるスリルも込みで、覗きを生き甲斐に各地を渡り歩いてきた、斥候専門の傭兵は。この程度の恐怖で、懲りることなどないのである。

「……今に見てな、ケツデカ王女様ァ。いつか絶対、あんたの全部(・・)を拝んでやるぜぇ……!」

 やがて彼は、疲弊する身体を引きずるように林の奥へと消えていく。ジルフリーデの秘部へのリベンジを、人知れず誓いながら。

 ◇

 ――結局その後、ジルフリーデ一行の活躍によって、雇い主である帝国軍が聖国から撤退したことで。
 カルロスが彼女達を覗きに行ける機会も失われてしまったのだが、それはまた別のお話である。

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