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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
最終話 私たち、彼の理想を守ります。
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は済んだな」
キルヒアイスの隣でラインハルトが言うのを彼は確かに聞いた。このところラインハルトの健康は特に思わしくなく、戴冠式の今日も病をおしてきていたのである。
なお、この時ラインハルトには帝国終身名誉主席元帥、大公爵の地位が与えられる旨発表された。彼は形式上それを受領したが、式典の後、すぐにそれを返上した。主席元帥であった期間は時間にして2時間6分35秒。史上最短の主席元帥と後世の記録には残っている。
* * * * *
ラインハルトは日に日に衰弱し、食事も満足にとれない日々が続いていたが、今は幼少の頃に過ごした家を改装し、そこでキルヒアイス、アンネローゼ夫妻らと共に暮らしている。医師団や従僕たちが付いて彼の世話をしていた。フィオーナやティアナ始め、転生者たちも代わる代わる訪れていたので、家はにぎやかさが絶えなかった。
アレーナも彼の家に一室をもらってそこで寝起きしながら宰相府に出向いている。政治面でカロリーネやアルフレートを補佐することになったからであった。カロリーネやアルフレートは忙しい合間を縫って何度かお忍びでラインハルトに会いにきた。
当初固辞していたラインハルトもしまいには「卿らの粘り強さには私も驚嘆する。何もしてやれぬがいいのだな?」と半ばあきらめた様に笑ったのだという。
また、かつてローエングラム陣営で戦った各提督たちもかわるがわる彼の下を訪ねて見舞っていた。ヤン・ウェンリーも時折ラインハルトを見舞った。珍しいことに、その時はラインハルトは時折声をたてて笑う事すらもあった。居合わせた者によれば、ヤンの珍妙な生活をユリアンから聞かされ笑ったのだという。
「ラインハルト様は悔しくはないのですか?」
キルヒアイスはある日、こんな質問をしたことがある。ラインハルト自身はずっと独身であり、さらに自分の手で何かを成しえることもせず、後進にすべてを託して去ろうとしている。
庭のテラスでラインハルトと二人で春の日差しを浴びている時だった。珍しく体調が良いのでラインハルトは外に出ていたのである。もちろんそれでもキルヒアイスの肩を借りなくてはならなかったが。
ちょうどこの時レイン・フェリルが菓子をもって見舞いに来ていたが、二人だけ残すと庭から姿を消してアンネローゼやアレーナらと話をしていた。「不器用ですが」言葉少なに菓子の入った籠をアンネローゼに渡したレイン・フェリルの顔は真っ赤だったという。
「悔しいとは何だ?いや、お前の言いたいことはわかる」
ラインハルトの横顔は朝の陽光を浴びてもなお白かった。
「俺の功績に比して、地位、名誉はおろか、俺の存在すら忘れられようとしていくことが悔しいかと聞きたいのだろう?」
「はい」
「全てを俺の手で成し遂げたいと思えたのは俺が元帥になる前ま
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