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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
最終話 私たち、彼の理想を守ります。
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・。ホント、誰もが一度は想像してみたかったことだけれど、それは今まで成し遂げられなかった。それを成し遂げたアンタは、まったく見事としか言いようがないわよ」
「私は――」
「あんたならやれるわよ」

 ティアナが無造作に言った。

「しっかりしなさい。アンタは一応は宇宙を統一してゴールデンバウム王朝を繁栄させた実績もある転生者なのよ。前世がOLだか何だか知らないけれど、今は今。そしてこれから先の物語を紡ぐのは他ならないアンタ自身よ。それとも私たち対転生者用転生者に道を譲る?」
「・・・・・・・・」

 カロリーネは脇に立っている人間を見た。ここまでずっと自分を支え、そして共に歩んできたもう一人の転生者。

「やってみませんか?」

 アルフレート・フォン・バウムガルデンは微笑んだ。

「僕等は前世からは想像もつかないほどの道のりを歩んできました。そしてその道半ばで倒れた人間を多く見ながらそれでも歩みを止めることはなかった。こんな表現をすると非情だと思われるかもしれません。けれど、それは同時にその人々の願いを背負って歩き続けたことを意味していると思うのです」
「・・・・・・・・・」
「原作の銀河英雄伝説は、ラインハルトの崩御をもって幕を下ろしました。けれど、その先にはまだ生き続ける人々が確かに存在し、そして確かに歩みを進めていったのだと僕は思います。だからこそ、僕等は前に進まなくてはならない。他ならない僕等の前にある未来へと、ね」

 その言葉にティアナがうなずきながら、

「忘れないでほしいけれど、アンタたちが変な真似をしでかしたら、それこそ私たちが容赦しないわよ」
「変な真似なんかするもんですか!!」

 カロリーネが叫んだ。

「もう沢山!!これまで散々馬鹿な真似をしでかして、馬鹿な真似を見てきたんだもの。もう充分よ!!いいわ、わかったわよ!!」

 カロリーネは背筋をただした。それはあのローレライ作戦の激戦のさなか、彼女の歌声が全宇宙に発せられた時の姿をフィオーナたちに思い起こさせた。

「ラインハルトの後を継ぐのね?」

 自分の問いかけにうなずきを返したカロリーネを確認したティアナはフィオーナを見た。

「じゃあ、まぁ、さっさとやってしまう?フィオ」

 ティアナにうなずいたフィオーナが剣を抜いて一振りした。何でもない動きなのに、空気を引き裂く音が澄んだ鐘のように二人の耳に響いた。

「カロリーネ・フォン・ゴールデンバウム」

 フィオーナがあらためて澄んだ声でカロリーネ皇女殿下に話しかけた。

「あなたは・・・ゴールデンバウム王朝の継承者として、そして、この銀河に生きる一員として、ラインハルトの残した道を継ぎ、今後の人類の恒久の平和と発展に尽くすことを誓いますか?」
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